アメリカはフローティングホリデーの取得で対応
アメリカは、累計感染者や累計死亡者の数が世界最多となっている。ただ、ワクチン接種が進んだことにより、感染拡大はやや落ち着いている。
アメリカでは、連邦や州が祝日を設定している。公的な施設や金融機関は祝日に従って休業するが、一般の企業は休業するかどうか、企業次第とされている。新年の日やクリスマスの日は多くの企業が休業するが、コロンブスの日(10月の第2月曜日)などは休業しない企業が多い。
ただ、アメリカには「フローティングホリデー」という制度がある。従業員が祝日の振替としてとることのできる有給休暇だ。年始に企業から数日与えられ、従業員は自分の意思で自由に祝日をとることができる。
コロナ禍の中で、このフローティングホリデーを活用する動きが進められた。企業にもよるが、昨年夏以降、数日~10日程度のフローティングホリデーが追加付与される動きが広がった模様だ。
連休中、行楽地などで人混みが発生することを避けるという点では、個人ごとに祝日を設定してバラバラに休暇をとるという考え方は、有効なコロナ対策といえるかもしれない。
アメリカは、国全体としてはワクチン接種の効果もあり、感染拡大に歯止めがかかってきた。しかし、ミシガン州では感染が急拡大して医療崩壊の危機に直面するなど、州ごとの感染状況の違いが鮮明になりつつある。
以上、いくつかの国のコロナ対策としての休暇の変更をみてきた。日本では、今年のゴールデンウィークも昨年と同様、さまざまなイベントの開催が中止となっている。せっかくの連休だが、遠方への旅行は控えて、自宅近辺で過ごす人が多いものとみられる。
日本では、リモートワークで進む「働き方改革」とともに、祝日の設定をフレキシブルにして、個人ごとに自分の裁量で休暇をとる「休み方改革」も必要かもしれない。