しばらくして警察が到着すると、自宅マンション周辺は騒然とした空気に包まれた。近隣住民が語る。
「警察官がマンションに踏み込んだとき、Aさんはかなり暴れたようです。大声が響きわたっていました。最初は4人でしたが、すぐに応援を呼び、最後は警察官6人ほどで取り押さえる形になった。マンション前には警察車両が4台ほど止まっていましたね」
18日午前0時40分頃、そうしてAさんは逮捕された。
「寝室にいた長女は怖くて布団の中で震えていて、三女は騒ぎで目を覚ましたのか、泣きじゃくっていたそうです。熊田さんは子供たちが心配なので、お兄さんに家にいてくれるよう頼み、彼女は事情聴取のためにパトカーで警察署に向かったと言っていました」(前出・熊田の知人)
熊田が今回、Aさんとのやりとりを録音することに決めたのは、以前にも夫から暴力を受けた経験があったからだ。
「その際も地元の警察署に相談したそうです。そのとき、警察から“DVをする男性は後で必ずやっていないと嘘をつくから、危ないと思ったら録音をしてください”と助言されたので、曜子は今回、録音に踏み切ったそうです。
録音がなければ、“手が当たっただけ、殴るつもりはなかった”と夫はシラを切り通せたかもしれません。しかし、“殺すぞ”と言いながら暴力を振るう音声が残っていることで、曜子は自分と子供たちを守ることができそうです」(熊田の親族関係者)
その家庭にどのような事情があろうとも、暴行を正当化する理由は一切ない。今回の事件では、Aさんを擁護する報道もあるが、DV事件の被害者に「非がある」ように報道するのは、被害者と子供を“セカンドレイプ”する行為であり、さらに、ほかにも数多くいるDVの被害者に声を上げづらくさせる大きな原因になっている。熊田の一件は、被害女性が「私も」と勇気の声を上げる、きっかけになるかもしれない。
※女性セブン2021年6月24日号