「降格は簡単だが昇級が難しいのが相撲協会。『年寄』から『主任』、『主任』から『委員』に昇格するのは勤続年数によるが、その上の『役員待遇委員』になれるかは不透明な基準になってくる。年寄としての勤続年数、現役時代の実績、師匠として関取を輩出しているか、一門内の序列といったことが影響してくるとされるが、最も大きいのは一門内での力関係だと言われている。つまり、いずれ一門の票をバックに選挙で理事、副理事に選ばれるであろう親方が抜擢される。また、“貴の乱”以降は、反・貴乃花の急先鋒だった高田川親方(元関脇・安芸乃島)や師匠会会長として貴乃花を糾弾した錦戸親方(元関脇・水戸泉)が役員待遇委員に抜擢された例もある」(若手親方)
2017年に明らかになった横綱・日馬富士による貴ノ岩への暴行事件は、協会執行部と貴乃花親方が激しく対立する争いとなったが、その禍根は貴乃花親方の退職後も残っているのだという。
「貴乃花一門の残党と見られている親方衆には出世の見込みはないと言われている。今回、2階級降格された常盤山親方も厳しい。部屋には横綱候補の貴景勝がいるものの、昇進したところで“貴乃花が育てた弟子”と解釈され、その一方で、不祥事を起こした旧・貴乃花部屋の力士は“いまは常盤山親方の弟子”と責任を問われる。旧貴乃花一門の常盤山親方は二所ノ関一門内では発言力はなく、今後も出世につながる道は見えてこない」(ベテラン記者)
相撲協会に残る側のほうにも、厳しい未来が待っているのだ。