「なぜ減ったのか」「第六波はいつ来るのか」
以下、専門家17人に尋ねた「なぜ感染者が減ったのか」の分析(以下、【なぜ減少】と表記する)、「第六波はいつ来るのか」の予測(以下、【第六波は】)を、以下で紹介する。
●一石英一郎・国際医療福祉大学病院教授
【なぜ減少】ワクチン接種、行動変容など個々の要因はあるが、原因はわからない。ウイルスの弱毒化もしくは、変異を重ねたことで自滅したという理論もある。ただ油断せずに備えてほしい。
【第六波は】……この冬(11月~3月)/すでにリバウンドが起きているイギリスを見ると、感染者数はピーク時の5~6割くらいになるのではないか。高齢者の接種が進んでいるので死者は減ると思う。
●二木芳人・昭和大学医学部客員教授
【なぜ減少】ワクチン接種と行動変容の2つが大きな要素だ。一方で、日本は今でも検査が不足しているため、数字に表われない無症状の感染者が多い可能性が否定できない。
【第六波は】……この冬(11月~3月)/北海道は他の地域に先行して季節性の感染者増が生じる傾向がみられるが、すでに感染者数の下げ止まりが窺える。仮に北海道で感染拡大が起きれば、2~3週間後に本州も感染拡大の可能性がある。
●金子俊之・医療法人社団「松寿会」理事長
【なぜ減少】欧米と比べ、日本や東南アジアは感染者が少なく、コロナに対する抵抗力が比較的あったことも大きい。
【第六波は】……この冬(11月~3月)/風邪やインフルエンザと同様、呼吸器感染症のため、ある程度の感染者増は避けられない。ただし、デルタ株のような変異株が出なければ、感染者増の波は小さいのではないか。
●讃井將満・自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長
【なぜ減少】季節性など要因は複数考えられるが、ワクチン接種のタイミングが良かったのが大きい。6~8月に急速に接種が広まったので、抗体が減っていない人が多い。
【第六波は】……この冬(11月~3月)/初期に接種した高齢者の抗体が減っていることに加え、緊急事態宣言のような行動制限が課されないため、どうしても「小さな波」は来るでしょう。
●高橋弘毅・即仁会北広島病院・札幌呼吸器医学研究所所長
【なぜ減少】ワクチンによる効果が一番大きいが、マスク着用と室内換気の意識付けが浸透したことも要因の1つ。人流が戻り、通勤通学の満員電車でも感染拡大しないのは大きい。
【第六波は】……この冬(11月~3月)/現状だとあまり大きな波にはならないのではないか。ただし、抗体の減少がどれほどのスピードで進むのか、新たな変異株が現われないかといった不安要素もある。