渋野日向子の後輩たちが活躍中(GettyImages)
賞金ランキングなどでシード権を得られなかった選手は、QT(クォリファイングトーナメント)に出場し、そこで上位に入れば来季の出場権を得られる仕組みがある。2018年度までは、日本のプロテストに合格していなくても、QTで上位に入ればツアー出場権が得られた。これまで、韓国人プロを含む海外選手の多くは、「プロテストは受験せず、QTを通過して単年登録でツアー出場」というやり方を採用してきた。ところが、2019年度以降はQTの受験資格がLPGA会員(プロテスト合格者)に限定されたのである。前出・ゴルフ担当記者が言う。
「海外選手ばかりが活躍してはツアー人気が落ちることを懸念しての厳格化ではないかとも言われていますが、制度変更の影響は大きい。黄金世代の期待の星のひとりである高木優奈は今季、単年登録でツアーに出場していたが、来シーズンから単年登録が完全撤廃されるため賞金ランク50位以内を目指すか、QT受験資格を得るためにプロテストを受けるかの2択を迫られ、ツアーの試合を欠場してプロテストを受けた。しかし、1打差で不合格となってQTには出られないうえに、賞金ランキングも60位に終わりシードを逃したのです。彼女の例を見ても、ツアー参加がかなりの“狭き門”になっていることがわかる」
ツアー参加が狭き門になろうとも、若手の人気プロが台頭しているからいいではないかと思うかもしれないが、そうとは限らない。「今シーズンは渋野と古江が米女子ツアー最終予選会に出場するし、『大王製紙エリエールレディス』で復活優勝した原英莉花も米女子ツアーを目指しているという。すでに畑岡は米女子ツアーで戦っているし、人気選手がどんどん海外流出する可能性もある」(前出・ゴルフ担当記者)という状況なのだ。
顔ぶれが大きく入れ替わった結果、“見たい選手がいない”という寂しいツアーになる可能性もあるのだろうか。