デビュー20周年の節目だった

デビュー20周年の節目だった

 2014年の紅白で母娘は共演したが一緒に歌うことはなく、沙也加さんはひとりで「アナ雪」のテーマを歌いあげた。堂々とした姿は“母離れ”を象徴するかのようだった。以降、母娘の交流は途絶える。沙也加さんが2015年に発売した初の自著『Dollygirl』(宝島社)には彼女の半生を物語る写真が多数掲載されたが、その中に聖子の写真は一枚もなかった。

「死の直前に沙也加さんが出演したバラエティー番組の収録では聖子さん関係の質問は一切NGでした」(テレビ局関係者)

 そんななかで迎えた突然の別れ。母娘の長い物語の予想もしない結末に、聖子は自責の念に駆られているという。

「聖子さんと沙也加さんは決して憎しみあっていたのではなく、お互いの存在が大きかったので距離が必要だっただけです。聖子さんとしては、娘にくっつきすぎるとまた離れるので、適度な距離を取っていればまたいつか戻ってくるとの思いでした。それがこんな結末になってしまい、『私のせいだ』『私がもっとしっかりしていれば』と自分を責める毎日です」(前出・聖子の知人)

 前出の沙也加さんの著書のQ&Aコーナーには、《Q36.今までで一番美味しかったのは何? おばあちゃんと食べたステーキ》《Q53.一番大切なものは? 祖母》との記述がある。常に偉大な母の影に追われた沙也加さんにとって、最大の理解者は聖子の母である一子さん(89才)だった。幼い頃から聖子を厳しく育てた一子さんは、沙也加さんと12才年上のミュージシャンとの交際に聖子が激怒した際、娘をこう諭した。

「いまは何を言ってもだめ。しばらくはそっと見守りながら、様子を見ましょう。あなただって、いまの沙也加ちゃんと同じように、周囲が何を言っても聞かない時期があったでしょう」

 前出・聖子の知人が語る。

「孫が『松田聖子の娘』として扱われることがわかっていた一子さんは、沙也加さんが幼い頃から『歌手になるのだけはやめなさい』と言っていました。それは沙也加さんが聖子さんと比べられることを案じてのことでした。

 成長した沙也加さんが聖子さんとぶつかったときも、2人を誰よりも知る一子さんは『時間が解決してくれる』と娘と孫を見守り続けました。そんな一子さんだけに、今回の件には聖子さんと同様に大きな衝撃を受けました」

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