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「ヒロインの母」が似合う草刈民代 その娘役に「家事が苦手」の共通点

近年はドラマで「母親役」が目立つ(時事通信フォト)

近年はドラマで「母親役」が多い(時事通信フォト)

 高畑充希主演の連続ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系、毎週水曜夜10時〜)。物語の中盤(第6話)、ヒロインの母親として登場した草刈民代(56)を目にしたドラマオタクでエッセイストの小林久乃氏は、あることに気が付いたという。1980年代からバレエダンサーとして活躍し、映画『Shall we ダンス?』(1996年)で映画初出演・同主演を果たした草刈民代が、近年ドラマで演じる「母親役」の共通点について、小林氏が綴る。

 * * *
『ムチャブリ!』を見ていたら、役柄によるひとつの共通項に気づいてしまった。2月16日放送の第6話では、突然社長に任命されたキャリウーマンなのに実は家事がからきし……の、高梨雛子(高畑充希)の自宅に、突然母親が押しかけてきた。演じているのは女優の草刈民代である。愛する旦那が自分に断りもなく退職金を使い込んだと憤慨して、家出をしてきた。

「あれ? ドラマの娘役……ひょっとして家事が苦手な人ばかりでは?」。最近の作品を並べてみると、草刈民代演じる母の娘たちは見事に家事を苦手としていた。一体なぜなのか、私なりの推論を並べてみたい。

『大恋愛』の戸田恵梨香、『わたなぎ』の多部未華子も

 まずは草刈さんが演じたここ数年間の代表的な母親役とその娘たちを振り返ろう。まずは毎週泣かされてしまった『大恋愛〜僕を忘れる君と〜』(TBS系、2018年)の北澤薫役。レディースクリニックの院長を務めるシングルマザーで、娘は同じく医師で、主人公の尚(戸田恵梨香)。小説家の間宮真司(ムロツヨシ)と恋愛関係から、夫婦になるものの、尚は当初は全く料理ができなかった。

 ただこのドラマ、薫が尚の元カレと結婚するというトンデモ展開に圧倒されて、娘の家事のできなさは特に気にならず。それから草刈さんが母親役として登場してきたインパクトは大きかった。「あの、草刈民代が……母親役?」と、二度見をして時間の経過を思い、しみじみしてしまった。

 そして『私の家政夫ナギサさん』(TBS系、2020年)では、主人公・相原メイ(多部未華子)の母・美登里役。製薬会社に勤務するメイ、社内での評価も上々の優秀人材なのに全く家事ができない。その果てに家事代行を依頼する……ということになるのだが、この作品では母本人も家事が苦手という設定。セリフではなかったけれど「だって苦手なのだから仕方ないじゃない!」という、まるで娘役のような振る舞いが印象深い。

 で、今回の『ムチャブリ!』の高梨令子役になる。雛子は家事が苦手だけではなく、計画性もゼロ。休みはゲームとビールがあればそれでいい。反するように家事は完璧、計画の実行力も高い令子。愛する娘とはいえ、どうしてもイライラしてしまうことも……という流れである。

 以上、3人の娘たちに共通するのは家事が苦手であること。そして草刈さん演じる母親役に共通するのは、娘に「幸せな結婚をしてほしい」と願う点だった。さらに3人の母に共通していたのは、なんだかんだ言っても最終的には家族から愛されていた点だろう。『わたなぎ』の美登里は当初、次女との間のわだかまりを乗り越えて、最終的にいいおばあちゃまになっていた。

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