赤く染まりゆく空を眺められた

赤く染まりゆく空を眺められた

 それに対して、車の中では上皇さまが身を乗り出して手を振られ、花束を抱えられた美智子さまも、マスクはされているものの、柔らかな表情が窺えた。

 御用邸とは、天皇陛下、上皇陛下、皇族方の一部が利用される“別荘”と言っていい。コロナ禍以前は年に数回、ご静養を兼ねて避暑や避寒のために訪れられた。

 現在、御用邸は葉山、那須、そして須崎(静岡県)の3か所だ。

 今回、ご夫妻が滞在される葉山御用邸は、相模湾に面した神奈川県三浦郡葉山町にある。幼少時代の大正天皇が、保養地とした場所でもある。また、かつて存在した葉山御用邸の附属邸で、大正天皇は崩御した。附属邸はその後取り壊され、跡地には「葉山しおさい公園」ができた。御用邸滞在中、天皇や皇族方は、公園にある四季折々の植物や花を散策しながら楽しまれることもある。

 2008年、当時天皇皇后だった上皇ご夫妻が葉山御用邸に滞在された際は、秋篠宮ご一家もご一緒だった。

 上皇さまと職員や漁師たちは、御用邸近くの艇庫から櫓が2つある「二挺艪(にちょうろ)」と呼ばれる和船を出された。

 上皇さまと美智子さま、紀子さま、悠仁さまは黄色い救命胴衣を身につけると和船に乗りこまれた。上皇さま自らが櫓を握り、漕がれる。海面がキラキラと光る中、上皇さまは手慣れたご様子で漕ぐ和船はスイスイと沖へ向かっていく。時折、美智子さまも上皇さまから櫓の漕ぎ方を教わり、楽しそうにしている姿も見られた。

 宮内庁関係者によると、上皇さまは、栃木県の奥日光に疎開中の小学校時代から和船に親しまれていたという。

 同年10月30日のお誕生日に際しての文書回答で、美智子さまは悠仁さまらと和船に乗られた時のお気持ちを綴られていた。

「(悠仁が)御用邸にもどって後、高揚した様子でいつにも増して活々と動いたり、声を出したりしており、その様子が可愛かったことを思いだします。」

 また、天皇ご一家(当時は皇太子ご一家)と過ごされたこともあった。

 まだ幼い愛子さまがよちよち歩きで波打ち際まで近づくと、ハッと気づかれた美智子さまが「愛子ちゃん、洋服が濡れちゃいますよ」と砂浜を駆け出され、愛子さまをぎゅっと力強く抱きしめられていた。

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン