「けんかしてチューもできない」
一方の上島さんも妻のために尽力した。広川の祖母が病気で体調を崩した際、上島さんは自宅マンションに祖母を迎え入れた。さらに同じマンションに別の部屋を借り、自分はそこを生活の拠点とした。
「上島さんは飲んで帰りが遅くなることも多く、妻の看病の邪魔をしないようにとの配慮でした。この話に尾ひれがつき、マスコミに『すわ、家庭内別居か』と報じられたほどです。もっとも、上島さんが照れ隠しで“嫁が怖くて家に帰りたくない”とあちこちで吹聴するからいけないのだけど(笑い)」(芸能関係者)
上島さんのエピソードトークには「妻が怖い」「妻が浮気している」「腹を割りばしで刺された」など、しばしば広川が登場した。こうした「奥さんイジリ」は、実は広川との約束破りだった。
「上島さんはひかるちゃんに、“家のことはあまり話すな”と釘を刺されていました」
と話すのは広川の知人だ。
「もちろん妻イジリは笑いを取るためのネタでしたが、妻の立場からすれば、家族や両親が心配したり、世間から“そういう夫婦なんだ”と見られるのがイヤだったみたい。でも夫のキャラを守るために、あまり強くは言わなかったようです」(広川の知人)
話すなと言われるとつい話してしまうのが「芸人上島」だったが、妻がそんな夫をとがめることはなかった。
上島さんには“師匠”と仰ぐ偉大な先輩がいた。2年前に急逝した志村けんさん(享年70)だ。1997年に『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)に初出演した上島さんは、2006年からは志村さんが主催・主演の舞台にも参加するようになった。そこでの演技が評価され、映画『上島ジェーン』(2009年公開)で俳優として初主演、ドラマ『怪物くん』(日本テレビ系/2010年)でオオカミ男を好演するなど、芸人の域を超えていった。