しかし、ここ数年は上記に挙げた人気芸能人たちの冠番組でも「視聴率が獲れない」というケースが目立つようになりました。大量のネットコンテンツが見られるようになったことで選択肢が増え、「誰の番組か?」より「どんな内容か?」で見るものを決める人が増えているのです。
たとえば、「今、最も旬で勢いのあるMC」と言われる麒麟・川島明さんは、この1年あまりで『ラヴィット!』(TBS系)、『100%!アピールちゃん』(MBS・TBS系)、『サンデーPUSHスポーツ』(日本テレビ系)というMCを務める3つの番組がスタートしましたが、どれも冠番組ではありません。
また、千鳥との共演番組が多く、こちらも勢いのある、かまいたちもゴールデン・プライムタイムの冠番組はありません。昨秋にスタートしたMCを務める『ウラ撮れちゃいました』(テレビ朝日系)も冠番組ではないように、各局が冠番組に対して慎重になっている様子がうかがえます。
「誰の番組か」を重視するフジのバラエティ
その例外がフジテレビ。今春は『千鳥の鬼レンチャン』だけでなく、田中卓志さんがゴールデン・プライムタイム初MCを務める冠番組『呼び出し先生タナカ』も、重要な日曜21時台に編成されました。
さらに内村光良さんがMCを務める冠番組『あしたの内村!!』も月曜20時台にスタート。また、特番に目を向けても、3月13日に『ガチャガチャの言う通り!!~丸投げナインティナイン~』、3月27日に『爆さまネプナイン』、3月31日に『バチくるオードリー』などの冠番組が放送されました。
その他のレギュラー番組を見ても、月曜の『ネプリーグ』、火曜の『所JAPAN』(カンテレ)、水曜の『林修のニッポンドリル』、金曜の『坂上どうぶつ王国』と『人志松本の酒のツマミになる話』と、ゴールデン・プライムタイムに冠番組が目白押し。フジテレビのバラエティは今なお、「誰の番組か」を重視して制作されているのです。
なかでも冠番組が最も多いのが千鳥であることは間違いありません。局員たちの中には、「フジテレビでバラエティを作りたくて入社した」という人が少なくなく、同局らしい笑いの要素が濃い番組を作ろうとしたとき、千鳥の名前が真っ先に挙がるようなのです。