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“産直EC”に救われた生産者の声 ポストコロナ時代の「ヒントを見つけた」

農畜産漁業の生産者はコロナ禍の窮地をどう乗り越えたのか

農畜産漁業の生産者はコロナ禍の窮地をどう乗り越えたのか

 2年半続いた新型コロナウイルスによる騒動もようやく出口が見えかかっている。この間、相当な経済的打撃をこうむった産業の筆頭といえば、飲食業と観光業だろう。外出ができなくなったり密を避ける必要が出てきて利用客が激減し、倒産が相次いだりもした。それだけではない。飲食業や観光業向けに産品を納入する農畜産業や漁業の従事者にも大きな影響が出た。

 夫婦で養鶏を営む菊地陽子さん(福島県相馬市)も苦境に立たされた一人だ。

菊地さんの養鶏場。自然に近い環境で育てている

菊地さんの養鶏場。なるべく自然に近い環境で育てている

「私たちはこだわりの卵を少量卸す小規模農家で、飲食店や旅館に契約してもらっている割合が高かったのですが、2020年4月、5月の緊急事態宣言のときにはそれらの売上がいっぺんにゼロになってしまいました。一時、卵の売上は前年比9割減まで落ち込みました」(菊地さん)

 窮地の菊地さんを救ったのは、以前から活用していた産直ECだった。産直ECとは、EC事業者を通じて産地の生産者から直接消費者の元へ産品を届けるアプリやインターネットサイトのことだ。

 Amazonや楽天といった大手ECモールもあれば、ポケットマルシェや食べチョク、フレマルや八面六臂といった独立系ECもある。菊地さんが活用したのは、生産者と消費者がすべてスマホで取引が完了できるポケットマルシェだった。

「まずSNSで『困っています。ポケットマルシェで売っているのでよかったら買ってください』と呼び掛けたんです。すると『だったら買いたい』と言ってくれる個人の方や飲食店の方がどんどん増えていきました」(同前)

 ポケットマルシェからの購入が増えたことで、一時は以前の売上を上回るほどだったそうだ。

自然の素材を飼料に使い生産された菊地さんの卵

自然の素材を飼料に使い生産された菊地さんの卵

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