「大手芸能事務所のノウハウ」は大事
「言い方は悪いんですが、実力云々の前に知識が足りていなかった。『オーディションを受けたい』と相談してくるのに自分のプロフィール表がなかったり、全身写真が必要なのに体が切れている画像を掲載していたりと正直、『自分を売る気があるのか!』という感じでした。でも仕方がなくて、一度もプロによる教育を受けていないから芸能の仕事の最低限のルールとか正解が分からないんです。
大手の事務所に所属していた経験から、私は芸能事務所が『どうやってタレントを売り込むのか』を知っていました。だからこそ最低限の“武器”すら持たずに厳しい芸能の世界に挑もうとする姿がとても歯がゆかったんです。いまになって思いますが、売り込みから生活指導まで二人三脚でお金をかけて面倒を見てくれる大手事務所の教育は素晴らしかったし、ありがたいことだったと思います」
もともと「広く浅くの人付き合いは苦手」だという小阪さんは、そうしたタレントたちを根気強く指導していく。ただ、多い時は30人以上から相談を受けるようになり、彼女自身のキャパシティにも限界が来ていた。
「さすがに体力的にも、生活していく上で費用対効果の面でもツラいなと感じるようになってきました。でも指導していた子がオーディションに受かると自分のこと以上に嬉しくて、この仕事は自分に向いていると思いました。何より私ほど芸能界で栄枯盛衰というか転落というか、そういう経験をしている人は少ないでしょうから(笑)。なので、ちゃんと『芸能事務所 チアリード』として自分が『この子だ!』と思った子だけを専属タレントとして誘って本格的に事業としてやっていこうと決意したんです」
「本当はグラビアをやってみたかった」
小阪さんは今年4月、これまで自らが相談を受けるなどして会ってきたタレント5人を誘って事務所の社長としての業務を開始。まずはそれぞれと個別面談を行なって、タレントとして「今後どうしていきたいか」の方向性を相談したという。