芸能

大河ドラマに欠かせない乗馬シーン 堺雅人も小栗旬も松本潤も1年前から練習

乗馬シーン撮影のため、俳優はどのような指導を受けているのか

乗馬シーンのため、俳優はどのような指導を受けているのか

 馬術の技量は俳優によって差がある。だが、実際に武将を演じる際はそれを自在に乗りこなしているように見えなければならない。そのために、どのような指導をしているのか。映画史・時代劇研究家の春日太一氏が、現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を含め多くの映像作品で馬術指導を担当するラングラーランチの田中光法氏に話を聞いた。

 * * *
田中:しっかり乗れる人ほど、絶対に「あらかじめ乗っておきたい」と言うんです。僕らのように技術がある人をもってしても、初対面の馬で演じてくれと言われたら「え、どういう馬なの? まず乗らせてください」と言います。乗れる人ほど、怖さを知っているんです。

 ですから「いや、おれはできるから練習はいらない」と言う人はまだ中途半端なんです。僕がNHKに伝えたのは「一度でいいから事前に役者には馬に乗ってもらい、その人がどのぐらいの技量があるのか僕に判断させてほしい」ということです。馬にまたがった瞬間に、その人の乗れる/乗れないは分かる。動く前に分かります。その上で「もう少し練習しましょう」などと頼みます。

 そうやってクランクイン前に役者に練習してもらうようにしたのは、大河ドラマ『武田信玄』(1988年)が最初です。「うちのクラブでちゃんと練習をさせてあげてください。そうでないと危ないですよ」とNHKに言いました。

──あの作品は上田原や川中島など、大掛かりな騎馬合戦のシーンも多いですからね。

田中:最近では大河の主役になる役者さんは、真面目な方だと一年前から練習を始めます。『真田丸』(2016年)の堺雅人さんも、今年の小栗旬さんもそうです。来年演じる松本潤さんも去年から練習に来ています。

 練習しているうちに、みんな乗馬が楽しくなっていくんです。小栗さんはすごく進歩したので、当然本番では馬に乗ってもNGを出さない。でも、本人はもっと馬に乗っていたいから「田中さん、NG出してもいい?(笑)」と言うくらい、馬に乗るのが楽しくなっています。NGを出せば、それだけ馬に乗っていられますからね。その余裕は、当然のように画に出てくるんです。

──馬を自然に乗りこなせれば、芝居もしやすいですし、何より武将としてリアリティが出ます。

田中:そうなんです。馬の上でちゃんと余裕がある人なら、演技中も無意識で馬に乗っているので演技に集中できますが、そこまでいってない人だと、馬にも神経がいってしまう。演技に集中するためにも、馬とできるだけいっぱい練習しておく必要があるんですよね。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン