小和田恆氏は福田赳夫氏の秘書で安倍晋太郎氏と共に官邸で働いていたことも(写真は小和田氏。共同通信社)

小和田恆氏は福田赳夫氏の秘書で安倍晋太郎氏と共に官邸で働いていたことも(写真は小和田氏。共同通信社)

 1982年、中曽根内閣で晋太郎氏が外務大臣になると、その秘書官に、本格的に政界入りを目指す次男の晋三氏が登用された。一方の雅子さまは、米ハーバード大学で学業を修め、1985年に帰国された。

「その頃、秘書官が“連絡係”として外務省幹部の自宅を訪れることは珍しくなく、安倍氏もたびたび小和田邸を訪れていた。安倍氏はよく周囲に“私は政治家になる前に、東大生だった頃の雅子さまとよく顔を合わせていたんだ”と話していました」(前出・別の政治部記者)

 1987年春、雅子さまは外務省のキャリア官僚となられた。

「入省の際、晋太郎氏は小和田さんとの縁もあったので、雅子さまにお祝いを伝えたり、助言を送ったり、いろいろ気にかけたそうです」(前出・政治部記者)

 1993年は、2人のその後の人生を大きく変える年となった。雅子さまは結婚され、皇太子妃となられた。安倍氏は、1991年に急死した晋太郎氏の地盤を引き継いで初の衆院選に挑み、当選を果たした。

 皇后と首相。それぞれの立場で令和の時代が始まった。

「印象深いのは、2019年のトランプ前米大統領来日です。雅子さまは得意の語学を生かされた接遇、安倍さんはゴルフ接待と、それぞれのやり方で、トランプ夫妻と親交を深めた。常に世界を意識してきたお二人だったからこその“おもてなし”は、歴史的な成功をおさめたといえるでしょう」(外務省関係者)

 雅子さまと安倍氏の共通項について、皇室ジャーナリストが思いを巡らせる。

「雅子さまは安倍さんと同じように、父の姿を追って進む道を決められました。また、立場こそ違えど、常に世界を見据えて生きてこられた。『もっと世界とかかわりたい』という思いは共通だったのではないかと思います。30年以上前から、同じ時代を生きてきた、ある意味での“盟友”の死です。雅子さまが安倍さんのしかるべき弔いを切望されていることは、自然なことでしょう」

 9月、国葬には両陛下も出席される予定だ。

※女性セブン2022年8月4日号

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