改めて古屋氏に聞いた。
「選挙のお手伝いは記憶していますが、セミナー、集会の方の記憶はない。しかし、当時取材に答えているということは、記憶がないとはいえ、事実でしょう。その後は協力などを受けてはいません」(事務所回答)
元建設官僚で自民党参院幹事長を務めた脇雅史・元参院議員が旧統一教会に頼る「議員心理」をこう語る。
「岸さん以来の清和会の主要メンバーが統一教会と親密だったのだから、清和会の議員の面々が関係を結んでいくのは自然でしょう。親分から、統一教会関連の集会に『顔を出しておけ』と言われたら、子分が行かないわけにはいかない。とくに比例代表の候補は、『この団体の票をつけてやる』と言われることは多い。
私は建設業界の支援を受けていたから、『その票はいりません』と断わることができたが、いろんな分野の票をもらっている人は、統一教会の票を回すと言われたら『お願いします』となる」
岸氏から始まった旧統一教会と安倍・岸家の絆は、晋太郎氏の代に派閥との組織的協力関係に発展した。
清和会は晋太郎氏の死後、2000年の森喜朗内閣誕生で福田赳夫内閣以来25年ぶりに政権を奪回。そして森首相の退陣後に登場した異色の総理、小泉純一郎・首相の時代に旧竹下派を追い落として最大派閥の座を奪った。
※週刊ポスト2022年9月2日号