(共同通信社)

サザンの桑田は「私にとって、永遠のスーパースター」と語った(共同通信社)

《彼女のことでフッとジェラシーを感じてしまったり、その次に起きてくる自分の心の動きというものに自分で気づくことがありますね》

 新間さんも離婚を悔やむ。

「手を取り合って苦労を乗り越えた素敵な夫婦だったので、別れたと聞いたときは残念でなりませんでしたよ。猪木さんには海外でよく『お前、女遊びするなよ』と釘を刺されました。ぼくが知る限り、猪木さんに女性の影はなかったと思います」

 倍賞はのちにインタビューで当時の心境をこう振り返っている。

《離婚したての頃は恨んだこともあったけれど、そういうことは時間が癒してくれたし、(中略)人を一生懸命愛した記憶って、たとえそれが別れにつながっても、素晴らしいことなんだなって改めて思いました》(『SAY』2003年1月号)

 離婚後、猪木さんも周囲に「いい女だった」としみじみ語っていたという。

3度目、そして最後の結婚

 3度目の結婚は1989年。猪木さんが参院選に当選して史上初のプロレスラー出身国会議員となった年だった。

「お相手は22才年下のキャリアウーマン。翌年長男が生まれ一家でアメリカに移住しましたが、息子が成人した2012年に離婚。猪木さんは家族の縁を切られ、後年『息子とまったく会えない』と嘆いていました」(前出・猪木さんの知人)

 そして最後の結婚相手が前述の田鶴子さんだった。

「2017年に入籍したとき、猪木さんは74才。本人は『もう結婚はいいや』と言っていたが、『猪木家の墓に入りたい』と懇願する田鶴子さんが喜ぶならと、婚姻届にサインしたそうです。彼女は猪木姓になったことがうれしくてしょうがないといった様子で、勲章をもらったように誇らしげにしていました」(前出・猪木さんの知人)

 だが、喜びからわずか2年後の2019年に、田鶴子さんはがんでこの世を去った。

「最後の2か月半、猪木さんは田鶴子さんの隣の病室に入院して一緒に過ごすことができたそうです。遺骨は彼女が大好きだったパラオの海に散骨しましたが、尽くしてくれた妻を失った猪木さんはひどく落ち込んでいました」(前出・猪木さんの知人)

 猪木さんは前述の自伝で田鶴子さんの愛情を井戸にたとえた。

《掘っても掘っても水が出てこなくて、「この井戸はどこまで深いんだよ」って驚くほどの深さだった》

 波瀾万丈の人生の終盤、妻を亡くし孤独を感じていた猪木さんのもとを訪れる女性の姿があった。倍賞である。入院中、猪木さんは愛弟子やごく一部の関係者しか病室に入れなかったが、倍賞だけは別だった。彼女が見舞いに来ると猪木さんは穏やかな笑みを浮かべたという。

※女性セブン2022年10月20日号

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