芸能

「笑いのTBS」定着への危惧も 民放各局が強烈な『キングオブコント』包囲網を敷く本当の理由

BPOの見解がテレビの表現方法に大きく影響を与えている(時事通信フォト)

松本人志が審査員を務める(時事通信フォト)

 今年で15回目を迎えるコント日本一決定戦『キングオブコント』〈TBS系〉に民放各局が警戒を強めている。8日放送の時間帯に、強力な番組をぶつけてきているのだ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。

 * * *
 8日夜、コント日本一決定戦『キングオブコント2022』(TBS系、19時~21時54分)が生放送されます。

 今年のファイナリストは、いぬ、かが屋、クロコップ、コットン、最高の人間、ニッポンの社長、ネルソンズ、ビスケットブラザーズ、や団、ロングコートダディの10組。審査員はダウンタウン・松本人志さんに加えて歴代王者の東京03・飯塚悟志さん、バイきんぐ・小峠英二さん、ロバート・秋山竜次さん、かまいたち・山内健司さんが務めます。

 例年通り、芸人たちの人生を賭けた緊張感あふれる番組になりそうですが、今年もう1つの注目は、同じ時間帯に放送される裏番組の存在。まさに「キングオブコント包囲網」と言うべき、民放各局がさまざまな番組と企画を仕掛けているのです。

 まず目を引くのは、日本テレビ系の『世界一受けたい授業3時間SP』(19時~21時54分)。3時間特番というスケールを打ち出した上で、扱うのは「都道府県魅力度ランキング最新版」で、しかも生放送されます。日本人はランキングが好きであり、さらに「生放送で発表」することで『キングオブコント』に負けないライブ感を醸し出そうとしているのでしょう。

 次にテレビ朝日系は、『池上彰のニュースそうだったのか!!』(18時30分~20時54分)を放送。こちらも2時間半の長時間特番であり、「今では信じられない!?昭和のニュースSP」というテーマで放送されます。

 このところ昭和カルチャーが再ブームであり、8月13日に放送された『ダウンタウンvs Z世代 ヤバイ昭和あり?なし?』(日本テレビ系)が個人8.4%・世帯12.5%の高視聴率を獲得したことで、民放各局が昭和のアーカイブ映像を使った番組を放送しています。今回は『キングオブコント』とは異なる視聴者層を集められる企画として編成されたのではないでしょうか。

 フジテレビ系は、『超ド級!世界のありえない映像大賞』(18時30分~21時)を放送。キングオブコントの放送日は、2020年が9月4週目の26日、2021年が10月1週目の2日、2022年が10月2週目の8日と、毎年異なる放送週であるにもかかわらず3年連続で同じ日に同じ番組を放送していることから、あえて『キングオブコント』対策としてぶつけている様子がうかがえます。ターゲットを「お笑い賞レースを好まない」「芸人のネタより映像を選ぶ」という視聴者層に絞って狙い撃ちしているのでしょう。

 最後にテレビ東京系は、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 激闘ヒストリー&大反省SP』(18時30分~20時54分)を放送。人気シリーズの5年・全19回の軌跡を裏話とともに振り返る贅沢な構成で放送されます。

 また、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京の3局は、18時30分という『キングオブコント』より30分早いスタート時間にすることで、「そのままチャンネルを替えずに見てもらおう」という狙いが見て取れます。

 3時間生放送、流行の昭和ニュース特番、3年連続同じ特番、5年間の総集編、さらに30分の先行放送……なぜ『キングオブコント』は、これほど警戒されているのでしょうか。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン