2003年には編み物をしていた羊
12年ごしに「物語が進む」デザイン
縦22.5ミリ、横22.5ミリで紅白が織り成す芸術でもあり、色の濃淡とアイデアで表現する年賀はがきの世界は奥深い。時折、世間をあっと言わせるデザインも登場する。
2003年に編み物していた羊が12年後の2015年にマフラーを完成させているストーリー性のあるデザインで大きな話題を集めたのが、デザイナー・星山理佳さんの作品だ。星山さんは「常々、面白いアイデアはないかと思いを巡らせています。ある時、2003年の羊が作っていたものが12年後に完成するという“時間経過”が年賀状の特性にフィットして良いのではとひらめき、未年が来るまでずっと温めておきました」と秘話を明かす。
星山さんは2004年と2016年の干支「申」でも、1匹で温泉に入っていた猿が12年後に子猿と一緒に温泉に浸かっているストーリーを展開。さらに2005年と2017年の干支「酉」では、2005年のにわとりのイラストが2017年には卵のイラストになった“哲学”的なストーリーも話題を呼んだ。
「これぞというネタも不採用になることがあります。懲りずに、いろいろな切り口から楽しめるアイデアを探し、チャレンジし続けたいと思っています」(星山さん)
マフラーを完成させた羊

