相方の澤部

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 極めつきは、「キモい」という声が飛び交うマスコットキャラ・まんぷく昼太郎。トーク中に出演者の前を堂々と横切ったり、寝そべってヘソをかいたりなどのだらしない姿で、岩井さんたちから「どけ!」などとののしられています。

「岩井の世界一かわいいネコちゃん連れてきて」「ぱくぱく!岩井のわんぱくワンスプーン」などの冠コーナーがあること、そもそもMC3人の真ん中に岩井さんが配置されていること、神田さんが岩井さんに引っ張られて毒を吐くシーンが増えていることなども含め、『ぽかぽか』のカラーが岩井勇気の芸風に近いことは間違いないでしょう。

「昼に合わないMC」フジの常とう手段

 ただ、実は「自他ともに認める昼に合わないキャラクター」の起用はフジテレビの常とう手段でした。『笑っていいとも!』のタモリさん、『バイキング』の坂上忍さんも、かつては「昼には合わない」と言われながらも、長年にわたって昼の生放送番組MCを務めた実績があり、岩井さんを起用した『ぽかぽか』も、その路線を踏襲したのでしょう。

 その点で、マニアックかつ過激な芸風で知られていた当時のタモリさんと、現在の岩井さんを重ね合わせる人がいるのは、当然なのかもしれません。制作サイドが、公開生放送、客席から生の声を拾う、MCが歩いて出てくるオープニング、日替わりゲストのトークコーナー、ゲストのアンケートチャレンジコーナー、日替わり若手アナの起用など、『笑っていいとも!』を彷彿させる仕掛けを多用していることも含めて、岩井さんがタモリさんのような“お昼の顔”になっていく可能性は十分ありそうです。

 しかし、業界内では「ポスト・有吉弘行」として期待する声があるのも事実。有吉さんと言えば、昨秋に「全曜日のゴールデン・プライム帯で冠番組を持ち、しかもNHKと民放キー局を制覇」という偉業を成し遂げました。これは裏を返せば、「これ以上の仕事を依頼することは難しく、リスクの高さから毒の緩和が求められる」ということ。業界としては、有吉さんに続く毒のあるスターMCを求めているだけに、岩井さんが昼の帯番組もこなせるようになればニーズが高まることは間違いないでしょう。

 奇しくも昨年は『R-1グランプリ』(カンテレ・フジテレビ系)でお見送り芸人しんいちさん、『M-1グランプリ』(朝日放送・テレビ朝日系)でウエストランドと、毒や自虐が武器の王者が誕生しました。「誰も傷つけない笑い」ではなく、「炎上まではしないギリギリの毒を吐く笑い」が受けはじめているという背景も追い風になり、「岩井勇気がMCのトップランナーになるかもしれない」という見方が生まれているのです。

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