実際、松坂は『婦人公論』(2014年11月7日号)のインタビューでこう述べている。
《夫が昼間お茶を飲みながら母の話を聞いてくれたり、母によくしてくれるので、感謝しています》
結婚時の確執を振り返ると、感慨深いコメントである。
家族ぐるみの介護生活の末、2021年の春につね子さんは旅立った。
「最期は自宅で松坂さんと高内さんが看取りました。当時は松坂さんもコロナ禍のため自宅で過ごす時間が多く、お母さんと長く一緒にいることができたようです。彼女は『母は100才目前まで生きることができ、大往生でした』と話していました。恩讐を乗り越えて、清々しい顔つきでした。最近、三回忌の法要も無事に終えられたと聞いています」(映画関係者)
そして現在、高内さんとともに松坂の支えとなっているのは、長女と次女の存在だ。
「松坂さんは本当に子煩悩で、娘を出産するたびに仕事をセーブして、育児の時間を確保してきました。2人の娘さんたちはインターナショナルスクールで学び、ハワイの大学で美術を専攻していました。美術教師の資格を持つ高内さんの影響で姉妹とも芸術が好きで、長女は高内さんのクリスマスライブのステージに立ったこともあります。次女は大学でセラミック彫刻を専攻し、卒業後の現在はアーティストとしてハワイと日本を行き来しながら、ネコ科の動物が人間の生活にもたらす魅力をテーマに陶芸や彫刻の作品を発表しています」(前出・松坂の知人)
大河ドラマ9本、朝ドラ4本の出演を誇る松坂も、気がつけば古希を迎えた。すでに充分なキャリアを築いているが、『らんまん』では、ある“難題”に挑んでいるという。
「本作の松坂さんは叱るシーンがすごく多い。特にすごい剣幕で子役を怒鳴りつけることがあり、そのたびに本人は『私、叱るとかあんまり慣れてないのよね』と弱音を吐いています。制作サイドからは『もっと厳しくやってください』と指導されることもありますが、彼女は『でもあんまり厳しく叱ると、世間のみなさんに嫌われないかしら?』と困惑した様子を見せていました。そのすぐ後に“鬼の形相”に変わるのだから圧巻ですよ(笑い)」(前出・テレビ局関係者)
素の自分とは180度違う“鬼ババア”も演じられるのが、大女優たるゆえんだ。
※女性セブン2023年4月27日号