──1980年代半ばから1990年代前半まで、バラエティ番組に活気があった時代を知っているしのざきさんから見て、今のテレビ業界はいかがですか? 「若者のテレビ離れ」なんて言われていますけど。
「テレビはオワコン」と言っている人は逆に古いんじゃないかなと思います。というのも、私は吉本で後輩だった住吉奈々美さんと「ナナしの娘」というユニットを組んで、2017年にお笑いを再開しました。TikTokも始めたんですけど、TikTokではただダンスするだけの動画は全然ウケず、すごくよく見られているのがテレビの切り抜き動画でした。テレビって今、「桐箱に入ったメロン」なんだと思います。
──メロン?
味も形も全て保証された、店先に輝く立派なメロン。人気YouTuberの動画を見てみると、地上波のバラエティの企画を真似たものだったりします。確かにお金があればYouTuberも爆破をやれるかもしれない。でも爆破で本当におもしろいのは、爆破の後の表情やリアクションなどのチームプレーなんです。そういう人と人との呼吸で生み出す笑いっていうのは、やっぱりテレビが強いんじゃないかなと。グループでやっているYouTuberさんが最近人気になっているのも、「チームプレーで笑いたい」という需要があるからじゃないでしょうか。
──なるほど。チームプレーによる笑いは、まだまだテレビに分があると。
今のテレビはコンプライアンスが厳しくなったと嘆く人もいますが、「きっちりルールがある場だからこそ視聴者は安心して見ることができる」という捉え方もできます。それって、ちゃんとした価値だと思いますよね。
後編ではしのざきさんが人気絶頂で引退した理由、トレードマークだった小鼻のホクロを取った意外な理由を語った。
(後編につづく)
文/原田イチボ(HEW)
【告知】
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