「誰かのためになるなら」と復帰を決意
芸能界引退後は脳梗塞で半身不随になった実母の介護と向き合った(本人提供)
──埼玉県出身のしのざきさんですが、どんな家で育ったんですか。
実家はピアノ教室で、両親は民謡三味線教室と生け花教室もやっていました。なので、いつも家には人がいてにぎわっているんですよね。私もいろんな稽古をさせてもらった中で、スピードスケートを習わせてもらったんですね。取りあえず氷の上に乗せたら速いんじゃないかと思ったみたいでしたが、運動音痴でダメでした。
──お嬢様だったんですね。
私、両親に「千本桜のようにかわいい、かわいい」っていわれて育ったんですよ。おかしいでしょう。本当にかわいいドレスを買ってきて、私に着させるんですよ。だから私がブスで売れても微動だにしなかったです。むしろ、皆さんがよろこんでくださるなら「どうぞ、お茶でも」と、実家に来たファンを家に招き入れてました。
──主婦になって、引退している間、ずっとお母さまの介護をされていたと聞きました。
娘が1、2歳の頃に実母が脳梗塞で半身不随になり、介護生活が始まりました。今は弟の嫁も見てくれたりして、少しずつ分担できていますけどね。実は介護うつみたいになった時期もありました。「母の喜ぶことは何だろう」とずっと考えているうちに、自分自身がなくなってしまうんです。そんなとき、今の相方の奈々ちゃん(住吉奈々美)からちょうど連絡が来たんです。
