敵は大河、日劇、日テレ、BS、WOWOW
もう1つ、ネット上で賛否が分かれているのは、放送前から予告されていた「3人に起きるある奇跡」の中身。それが「宝くじで3000万円当選」だったことがわかると、「都合が良すぎるのではないか」「この奇跡では癒されない」などと否定的な声が少なくなかったのです。これまで厳しい設定や展開をリアルなものと感じていた人も、「3人で買った3枚の宝くじが高額当選」という筋書きに当惑したのでしょうか。
今後は3人が当選金でカフェを開こうとする話が予告されていますが、第5話までと同様に順風満帆とは限らないでしょう。たとえば、住田賢太(川村壱馬)とのカフェコンサルや、重要な物件探しはうまくいくのか。手痛い失敗や裏切りなどはないのか。これまで3人の友情を描くために、厳しい設定や展開をフル活用してきただけに、その流れは続きそうなムードが漂っています。
もともと岡田さんは牧歌的な世界観の作品だけではなく、かつては『イグアナの娘』(テレビ朝日系)、『ホームドラマ』(TBS系)、『銭ゲバ』(日本テレビ系)などで人間と社会の残酷さを描いてきた脚本家。最後まで「3人の友情はきっと大丈夫だろう……」と安心して見てもらうのではなく、ハラハラさせるようなシーンを用意しているのではないでしょうか。
最後に話を新ドラマ枠に戻すと、日曜夜のゴールデン・プライム帯は、今や最大のドラマ激戦区。20時台にNHKの『大河ドラマ』、21時台にTBSの『日曜劇場』、22時30分から日本テレビの『日曜ドラマ』が放送されています。さらに22時台にはドラマ好きの評価が高いNHK BSプレミアムの『プレミアムドラマ』とWOWOWの『連続ドラマW』も放送中。しかも各局の看板として力を入れているドラマ枠が大半を占めています。