LGBTQ+とは
男性用・女性用と性別ごとにトイレが分かれていても、犯罪や不適切な行為の報告はあった。東急歌舞伎町タワーのトイレは「ジェンダーレストイレ」という目新しい存在と「性犯罪の可能性」を結び付けて感情的に批判されたともいえる。
多くの意見が寄せられた結果、5月中旬、このジェンダーレストイレは廃止され、女性トイレ利用エリアとして暫定的にパーティションで区画された。ジェンダーレスを表すピクトグラムの上には、女性マークがマグネットで貼られていた。施設に問い合わせると、
「お客さまに安心してご利用いただけるトイレを目指し、今後改修工事を実施する予定です」
とのこと。トイレは男性用・女性用だけでなく、ジェンダーレストイレも必要なのだ。
■女子の制服にスラックス、男子の制服にキュロットが導入
全国の学校の制服がいま、変わってきている。女子生徒はスカートだけでなくスラックスも選択できるようになり、男子生徒もスカートに見える半ズボンの「キュロット」を選べるなど、選択肢が広がってきているのだ。
「制服の強制は、本人の性自認にかかわらず性別を決める役割を果たしてしまっていました。ですから、選択肢が増えるのはいいことです。女子にスラックスが導入されたのは、性的マイノリティへの配慮もありますが、防寒対策や動きやすさ、痴漢対策も要因のひとつにあるようです」
今後もし問題が出てくるとすると、着ているものでレッテルを貼られることだと森山さんは言う。
「たとえば、キュロットをはいている男子生徒のことを、“あの人は性的マイノリティかもしれない”と他人が勝手に決めつける可能性があります」
何を着ていようと、性的指向・性自認が何であろうと偏見の目を持たないことが大切なのだ。
■子供から性的マイノリティだと打ち明けられたらどうすればいいのか
「お子さんからそのような大切な話を打ち明けられたら、それは親御さんが信頼されているということです。驚く人もいるとは思いますが、事実を受け止め、お子さんの生き方を認めてください」
「そんな体に産んでしまって、ごめんね」「それは治るのよね」などと発言することは、子供の存在を否定することになる。
「正しい知識に基づき理解したうえで、ありのままのお子さんの生き方を認めようと努めることが大切だと思います」