刑事ドラマでも活躍
「自分でも七不思議だな、と思いますが、いい奥さんですね。尽くしすぎるぐらい尽くしてくれました。私としては、放っておいてもらいたいぐらいでしたけど、捨てるなんてかわいそうでできなかった。まあ、相性が良かったんでしょうね。お互いに大雑把で、でも僕に対して言うべきときは『あなたが悪い』とキチッと苦言を呈する人。確かに、いつも私が悪い(笑)。
仲良くする努力はしていると思いますよ。たとえば、2人とも舞台を観に行くのが好きでときどき行きますが、好みが違う。こっちはそうでもないけど、女房はオペラが好き。だから、そんなに興味がなくても女房に合わせて一緒に観に行くし、なるべく会話したり、美味しい食事を作ってくれたら『ありがとう、美味しかったよ』と言ったりしています。それを言うのと言わないのとでは、幸せ度が違ってきますから、がんばって言っています。夫婦ってやっかいですよ(笑)」
3男2女をもうけ、長男は愛媛県の某市役所勤務の公務員、次男は静岡市にある東寿院などの寺院の住職に。三男は劇団「青年座」所属の俳優・若林久弥さん(50)。長女はスウェーデン人と結婚して現地で暮らし、次女もドイツ人のITエンジニアと国際結婚して、現在は長男と同じく「住みやすい」と愛媛県で暮らしているという。
「長男は最初、大蔵省造幣局の公務員になったんです。硬い職業についてくれてホッとしました。ところが、次男が大学卒業後に突然、出家したのには驚きました。でもね、ときどき会いに行くと、ホッと心が安らぐんです。お坊さんというのはいいですよ。
雪の日でも素足に草履を履き、100軒もの家を回って托鉢をする姿を見たりすると、我が息子ながら尊く感じられ『元気ですか』なんて敬語で話してしまいます。次男は私を反面教師にしたのかな(笑)。三男は何とか俳優を続けています。これからの俳優は本当に厳しい。すべてを捨ててもやるんだ、というぐらいの信念がないと通用しないと思う。孫はならせません」