(EPA=時事)

処理水放出が始まった8月24日、中国外務省報道官は会見で「断固として反対し、強く非難する」と述べた(EPA=時事)

中国の支離滅裂な主張

【Q6】処理水の放出には世界中が反対している。
【A6】反対しているのは中国、北朝鮮、ロシアだけ。

 世界中が処理水の放出に反対しているというが本当か。

「多くの国がIAEAの報告に基づいて処理水放出を支持しています。反対しているのは中国、北朝鮮、ロシアくらいですが、中でも強硬なのは中国です。韓国野党の反対が話題になりますが、尹錫悦政権は科学的に見て問題はなく、処理水放出を支持するという立場です。国際社会では支持が圧倒的で、中国の強行姿勢は異常とも言えます」

 国を挙げて反対しているのは、実質的に中国だけだ。中国政府の外交部は、8月22日の記者会見で、「(処理水が)安全ならば放出の必要はなく、安全でないならばなおさら放出すべきでない」として撤回を求めている。

「論理的におかしい。安全なら、貯めても放出してもどちらでもいいじゃないですか」

 中国の主張は支離滅裂だが、日本にも中国政府に同調する人が多数いるのが現実のようだ。

【Q7】福島の水産物を食べたら、被ばくして健康を害する危険があるのか?
【A7】まったくない。

 環境省では福島県沖を含む全国の海域で、海域モニタリングを実施している。処理水の放出開始後の8月25日に採取した海水を分析したところ、トリチウムの濃度は11か所全てで検出下限値未満(7〜8ベクレル/リットル未満)で、人や環境への影響がないことを確認したという。

「IAEA(国際原子力機関)の試算によると、日本で近海の魚を比較的多めに食べる人で、追加被ばくは1年間で0.00003ミリシーベルトとしています。この被ばく量はどれくらいかというと、たとえば、バナナには放射性カリウムが含まれていて、1本の半分を食べただけで、同じくらいの被ばく量になります。毎日1本ずつ食べ続ければ1年で約730倍ですね。バナナを食べるのが怖くなるかもしれませんが、体内でカリウムの量は一定に保たれており、バナナを食べなくても他の食物からカリウムが入ってくるので、被ばく量は結局、変わりません」

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