サイドの編み込みがワンポイントに

卒業論文の制作に熱心に取り組まれているという(8月、栃木県那須町。写真/JMPA)

女性天皇には反対していない

 岸田氏は今年2月、安定的な皇位継承を確保する方策を「先送りの許されない課題」だとし、「国会における検討を進めていく」と明言した。満を持して行われた今回の内閣改造は、前述の通り、過去最多タイの5人の女性閣僚が起用されたことが話題になった。前出の政治ジャーナリストは、そのうちの1人、高市早苗・経済安全保障相に注目する。

「岸田首相にとって高市氏は、前回の総裁選を戦った“ライバル”です。彼女を内閣に留任させたのには、狙いがあってのことでしょう。高市氏は保守や右派の重鎮でありながらも『私は女性天皇に反対しているわけではなく、女系天皇に反対している』と、女性天皇を容認する立場を明確にしているのです」(前出・政治ジャーナリスト)

「女系天皇」とは、母方にのみ天皇の血筋を持つ人物が天皇になることを指すが、長い皇統のなかで、そうした天皇は存在しないとされるので、高市氏は「女系天皇」には反対だという。しかし、父方に天皇の血筋を持つ女性天皇、つまり“愛子天皇”のような「男系の女性天皇」であれば即位を認めるべきだという主張である。

 別の政治ジャーナリストは、“飛び級入閣”を果たした加藤鮎子・女性活躍担当相に注目する。

「加藤氏は、かつて内閣官房長官や自民党幹事長を務めた故・加藤紘一氏の三女です。紘一氏は、慎重な姿勢を見せつつも、女性・女系天皇を容認するような発言を繰り返してきました。また、2005年当時の小泉政権が目指した女系天皇容認の皇室典範改正も支持しています。加藤氏は2013年に紘一氏から後継を指名された。父親の強力な地盤を引き継いでいますから、おのずと主張も踏襲されることになるでしょう」

 愛子さまは今年12月に22才の誕生日を迎えられ、来春に大学を卒業される。すでに成人されてはいるが、そこが“最後のタイムリミット”とみるのは、ある皇室関係者だ。

「愛子さまは大学卒業後、海外に留学されたり、急転直下、ご結婚されたりする可能性もあるわけです。そうなってからでは、万が一に皇室典範を改正したとしても、愛子さまに即位を求めるのは大変失礼なことでしょう。愛子さまにもライフプランがおありですし、即位は事実上、不可能になります。

 愛子天皇の実現を考えるならば、愛子さまが学生のうち、来春までに少なくとも政治の側が道筋を示さなければいけない。年明けの通常国会で議論の俎上に載せることが、絶対条件になるのではないでしょうか」

 国民の8割が実現を求めているという女性天皇。岸田氏は「聞く力」をいまこそ発揮できるだろうか。

※女性セブン2023年10月5日号

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