伊藤英明の舞台観劇後、スタッフに深々と頭を下げた(2023年9月)
「性加害を軽視している」
創業者であるジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題をめぐって、ジャニーズ事務所の激動が続く。広告スポンサーの撤退が相次ぎ、10月2日に予定される経営体制発表では、社名変更や新会社設立など大胆な改革案を提示するとみられる。この間、木村はさまざまな策を講じてきた。そのひとつが、東山紀之新社長(56才)らとの会食だ。
「9月7日の会見で東山さんは木村さんと藤島ジュリー景子前社長、井ノ原快彦さん(47才)、国分太一さん(49才)ら幹部タレントと会食したことを明らかにしましたが、そこで木村さんは事務所のタレントやスタッフに対する熱い思いをぶちまけたそうです。さらに事務所の今後について、変えなければいけないことと継承していくことを明確にして、世の中に伝えるべきだという姿勢も明らかにしたようです」(前出・芸能関係者)
自身の意見を新社長に提言するのと時を同じくして、木村はある提案も行っていたという。
「木村さんは『後輩たちとフランクに話せる場を作りたい』と井ノ原さんや国分さんに声をかけ、メッセージアプリでグループを作ったそうです。すると木村さんを慕う多くの後輩が集い、瞬く間にひとクラスに相当する規模のグループになったとか。自分が食べたいものを持ち寄って歓談するという手作りの食事会を何度か開き、腹を割った話し合いを進めたと聞きます」(前出・芸能関係者)
事務所の改革において、今後のキーマンとみられる木村だが、東山らの会見後には批判にもさらされた。
《「show must go on!」 PEACE!! STAYSAFE 拓哉》
会見直後、敬礼した自撮り写真とともに木村はこうインスタグラムに投稿した。「show must go on」とはジャニー氏のモットーとしても知られ、“一度始まったものは最後までやり遂げなくてはならない”ということを意味する。
「投稿にはいいねが18万を超える一方、『性加害を軽視している』とも受け止められ、賛否両論となりました。木村さんは投稿を削除したものの、その気持ちに嘘はなかったのでしょう。どんな境遇にあっても目の前の仕事に地道に取り組み、エンタメで結果を見せていきたいという思いなのです」(前出・芸能関係者)
その気概は別の面からもうかがえる。前述の通り、木村はDA PUMPのコンサート会場にも足を運んだ。前出の芸能関係者はこの行動について「木村さんの覚悟の表れでしょう」と指摘する。
「1997年にデビューしたDA PUMPは、歌、ダンスのレベルが高く、すぐに大ブレークを果たしました。しかし、当時は国民的男性アイドルといえばSMAPでした。結果、DA PUMPの露出は思うように増えなかった。彼ら自身のスキャンダルなどもあり、やがてSMAPだけでなく、ほかのジャニーズタレントの影にも隠れてしまうようになったのです。
DA PUMPから見たらSMAPは越せない高いハードルで忸怩たる思いもあったでしょうが、木村さんは後にISSAさんと個人的につながり、いまや友人関係を築いています。こんな時期だから、かつての“因縁の相手”と会えば、揚げ足をとる人がいるかもしれない。それでも木村さんとしては“全方位外交を”という思いがあるのでしょう」(前出・芸能関係者)
だが本人の気持ちとは裏腹に逆風は続く。前述の通り、広告スポンサーの“ジャニ切り”が相次ぐなかで、木村も例外とはならなかった。長年、木村を起用してきた日本マクドナルドと日産自動車は、9月中旬に新たな広告、販売促進においてジャニーズタレントを起用しない方針を明らかにした。さらなる追い打ちとなったのは、木村が主演する人気ドラマ『教場』(フジテレビ系)のスペシャルドラマが制作延期になったことだ。
「『教場』シリーズは連続ドラマ化もされ、近年の木村さんの代表作の1つでした。スペシャルドラマは来春放送で、今秋の撮影が予定されていましたが、急遽制作が止まったのです。ジャニー氏の性加害問題が影響したとの報道もありましたが、実際には、生徒役のメインキャスト級の若手俳優が体調不良を理由に降板したことが、そもそものきっかけだといわれています。
ドラマに期待をかけていた木村さんは一時期かなり落胆していましたが、大事なキャストが欠けて、完璧な作品を作ることができないならば、一度立ち止まってみようと前向きに受け止めたようです」(テレビ局関係者)