国民的グループの双璧をなした木村拓哉(50才)と中居正広(51才)。旧事務所の解体的出直しによって、長らく不可能とされてきたSMAPの“再結成”にも明るい兆しが見えはじめた。かつてないほどに機運が高まり、それぞれのメンバーが歩み寄る姿勢を見せるなか、ツートップが下す決断は──。【前後編の前編。後編を読む】
《必ず補償救済を成し遂げて、また本当の笑顔で皆と作品について語り合える時を楽しみに頑張ります。新しい会社で“同じ魂”を持つ皆の力でファンの皆さんを楽しませ、社員の皆と力を合わせて頑張ってくれ!》
SMILE-UP.の東山紀之社長(57才)が後輩たちに送った“檄文”には、悲壮な覚悟と熱いエールが綴られていた。旧ジャニーズ事務所の元所属タレントと新たに設立されるエージェント会社の話し合いが水面下で着々と進められている。社長兼任を断念した東山に代わって、新社長に就くのはコンサルティング会社「スピーディ」代表の福田淳氏(58才)とみられる。
「東山さんが後輩たちに向けた檄文は10月下旬に複数の所属タレントに送られたもの。エージェント会社の社長就任は見送ったものの、年内いっぱいでタレント活動を引退する意向は変わらず、今後は藤島ジュリー景子前社長とともに被害者の補償救済に専念するそうです」(芸能関係者)
環境の変化に戸惑う後輩たちに、東山は外部に経営を任せる期間は限定的だということも示唆している。
「メッセージには《皆が安心して働ける環境を整える意味でのベストを考え、荒波の中での企業再生を得意とし、皆の新しい会社が、きちんと立ち上がるまでの期間、プロ経営者の方に経営陣に加わっていただくこととしました》と綴られていたそうです。何年先になるかはわかりませんが、補償と救済を成し遂げた後で東山さんたちが合流し、再生した企業で再び社長に就任することも検討されているようです」(前出・芸能関係者)
新社長候補の福田氏はソニー・デジタルエンタテインメントの元社長。2017年に立ち上げたスピーディ社でAIなどを駆使したブランディング事業に取り組む一方で、ハリウッド式のエージェント業を展開し、女優でアーティストののん(30才)と提携している。
「かねて日本の芸能界の旧態依然とした慣習に批判的な立場を取り、2019年8月の朝日新聞のインタビューでは《テレビ局の企画担当者は、誰が最初にのんや元SMAPの3人にオファーするか、勝負ですよ》と呼び掛けていました。当時から旧ジャニーズ事務所に“忖度”するテレビ局の問題点を指摘していた福田氏が新会社のトップに迎えられたこと自体が、業界では驚きをもって受け止められています」(前出・芸能関係者)
福田氏が指摘するように2016年末にSMAPが解散し、稲垣吾郎(49才)、草なぎ剛(49才)、香取慎吾(46才)が退所して以降、3人が地上波に出演する機会は激減した。
「元チーフマネジャーと合流した3人が『新しい地図』というプロジェクトを立ち上げた後も状況はほとんど変わりませんでした。一方で事務所に残った木村拓哉さんと、後に円満退所した中居正広さんは解散前と変わらずテレビに出続ける不自然な事態が常態化し、不公平感を募らせた旧来のSMAPファンが互いにいがみ合う悲劇も招いてしまったのです」(前出・芸能関係者)