深い親交があった松井秀喜氏と (写真/太田真三)
2か月前に見せた旺盛な執筆意欲
伊集院氏は今年9月に『ナポレオン街道』を刊行。同書は1996年から本誌上で連載した旅エッセイだ。刊行直後に食事をともにした本誌・元編集長は、伊集院氏の様子をこうふり返る。
「連載から27年の時を経て単行本化したことを、先生はとても喜んでいた。12月にリドリー・スコット監督による映画『ナポレオン』が公開されることもあって、読者にどう読まれるかを楽しみにされていたし、執筆意欲も旺盛な様子でした」
30年近く東京の定宿とする「山の上ホテル」(御茶ノ水)のバーでは、ジンのソーダ割りでレモンを少し強めにするのが定番だった。
「その日もいつもの一杯を召し上がられて、静かに自室に戻られた。その後ろ姿が、今も目に焼き付いています」
ご冥福をお祈りします。
※週刊ポスト2023年12月15日号