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ビートたけしが明かす被災地への思い「“被災地に笑いを”なんて戯れ言だ」「震災のたびに芸人の無力さを感じるよ」

震災について思いを語ったビートたけし氏

震災について思いを語ったビートたけし氏(撮影/松田忠雄)

 東日本大震災から13年が経とうという時に、再び日本を襲った能登半島地震の被害。今も被災地では多くの人が避難を続け、行方不明者の懸命な捜索活動が続いている。最新刊『ニッポンが壊れる』で日本社会の問題点を指摘している映画監督・タレントのビートたけし氏(76)が、『週刊ポスト』の取材のなかで今回の震災に関して「スマホ」が普及したことによる功罪について緊急提言した。【前後編の前編。後編を読む】

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 2024年は新年早々、能登半島地震のニュースに心を痛めることとなってしまったね。

 元旦といえばどのチャンネルでも似通ったお笑い番組をやったり、芸能人の誰それが結婚したなんて発表があったり──そんな代わり映えのしない日常だった。こんなショッキングなことが起きたのは、オイラの人生でも記憶にないよ。

 地震が起きた時、オイラは家にいたんだけど、揺れはまったく感じなかった。だからテレビのニュースを見て本当にビックリしたよ。特に津波が5メートルなんてテロップが出ていたから、どうしても10年前の東日本大震災のことがフラッシュバックした。きっとそういう人は多かったんじゃないかな。

 こういう時、オイラたち「芸人」という職業は本当に無力だと感じる。今も土砂崩れのなかで行方不明になっている人がいる。普段はバラエティ番組ばかりのテレビ局も、しばらくは余震が起きればすぐに速報ニュースに切り替わるだろう。東日本大震災があった後、この「ポスト」の連載で同じような話をしたけどさ。「被災地に笑いを」なんて戯れ言だよ。

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