阪神「次期監督」人事をめぐる相関図
2005年リーグVの師弟関係
今岡氏は1996年ドラフト1位で阪神に入団。1年目から頭角を現わしたが、1999年、2000年と成績を落として一軍と二軍を行き来していた時、二軍監督だった岡田氏の指導を受けた。前出・番記者がいう。
「低迷していた今岡氏を再生させたのが岡田監督でした。その後、2003年に首位打者となり、2005年には岡田監督が主軸に抜擢。打点王としてリーグ優勝に貢献しました。今岡氏は『ヒントは与えるが、あとは自分で考えろ』という岡田監督のやり方を学んだ“岡田チルドレン”です」
他に岡田政権のコーチ陣では水口栄二・打撃コーチ(55)や、その下の世代で生え抜きの安藤優也・一軍投手コーチ(46)、福原忍・二軍投手コーチ(47)、藤本敦士・内野守備コーチ(46)らも控えるが、「今岡氏は岡田監督の信頼度が違う」(同前)という。
前出の元球団職員は、高評価の一因として今岡氏が2009年に阪神を戦力外となりロッテに移籍したことを挙げる。
「岡田さんも現役の最後にオリックスに移籍し、仰木彬監督のもとで野球観を学びました。オリックスのコーチ・監督も務めたことで、周囲に『いろんな球団を見るのは勉強になる』と話している。今岡もロッテでヘッドコーチや二軍監督を経験しています」
岡田監督は2022年オフに再登板が決まった際、今岡氏にコーチ就任を要請している。当初は体調不良を理由に返答を保留したが、岡田監督が「治るまで待つ」と“ラブコール”を送ると、「岡田監督を男にする」と快諾した。それほど師弟関係は深い。
もちろん、今岡氏の他にも岡田監督の薫陶を受けた後継候補がいることも事実だろう。その一人が、岡田監督が昨年から春季キャンプに臨時コーチとして招聘している鳥谷敬氏(42)だ。
「岡田さんは2年目を迎える今オフ、鳥谷にコーチ入閣してほしかったが、実現しなかったと聞いています。岡田さんとは早稲田大の先輩・後輩で関係は良好。現役時代にはほぼゴルフをしなかった鳥谷ですが、引退後はよくオフに岡田さんと西宮カントリー倶楽部でラウンドしています。ただ、現役晩年に阪神を出てロッテに在籍した経験がある一方で、レギュラーシーズンでのコーチ歴はない。このオフに入閣していれば、次期監督の選択肢に入っていた」(前出・元球団職員)