お金は岸田事務所が扱った

 発起人の一人である広島商工会議所会頭に取材すると、同会議所事務局長がこう説明した。

「『祝う会』は日本商工連盟(全国の商工会議所の政治団体)の広島地区と、岸田事務所、総理の後援会(岸田文雄後援会)の3者が主体となって開催したものと認識しています。当日は会頭が日本商工連盟広島地区代表世話人の立場で挨拶しましたが、運営には関わっていません。お金(の管理)については岸田事務所ではないかと思います」

 ほかの発起人である広島県知事と広島市長は、「『祝う会』の事務局に聞いてほしい」と回答。

 案内状にある「祝う会」の所在地を訪ねると、「広島市中小企業会館」と、「協同組合 広島総合卸センター」の看板がある2階建ての建物で、「祝う会」の看板はない。

 広島総合卸センターの担当者に話を聞いた。

「一応、(案内状には)ここが『祝う会』の窓口と記載してあるんですが、うちは職員が手の空いた時に案内状を送ったり、(出欠の)集計したりをお手伝いしていただけ。細かなことは岸田事務所のほうでやっていただいとった。お金(会費)のやり取りはうちのほうじゃなかったんで、岸田事務所に聞いていただければ」

「祝う会」の関係者はいずれも、「お金は岸田事務所が扱っていた」と認識していた。事実、参加予定者に送られたコロナによるパーティーの延期を通知する文書には、問い合わせ先が「岸田文雄事務所」と書かれ、事務所の電話番号があった。

 パーティーの当日も、「岸田事務所の秘書やスタッフが総出で受付などを行なっていた」と複数の出席者が語っており、「祝う会」パーティーは企画・準備段階から会費集めまで岸田事務所が仕切っていたことが窺える。

 それにもかかわらず、岸田首相はパーティーを自分の政治団体の主催ではなく、「祝う会」という、いわば“ダミー団体”の主催にすることで、収支を隠した疑いが浮上する。

「祝う会」の経理も口座も実質的に岸田事務所が管理していたとすれば、伊藤氏の知らないところで行なわれた「祝う会」から支部への寄附は自作自演だったことになる。

関連記事

トピックス

東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン