大学教授や中華料理店主に“なりすます芸”のため、新聞を毎日、隅から隅まで読むともいわれる。なぎら健壱(71)が補う。
「ブラタモリで見せる学究肌のタモリさんと、周りを顧みずにバカなことをやるタモリさん。どちらが本来のタモリさんかといえば、あたしは学究肌のほうだと思いますね。それが何らかの拍子ではじけてしまって、それがウケたからやらざるをえなくなった感じがしてならない」
ただ、それでも堅苦しい話には聞こえてこないのが、タモリが一流たるゆえんだろう。
〈教養なんてのは、あってもなくてもいい。大人のおもちゃなんだから。あれば遊びが増えるだけの話〉
この“ゆるさ”にホッとさせられるのだ。勝俣が言う。
「タモリさんは人生の流れに逆らうことをしない人。福岡から東京へ出てきたのも、赤塚不二夫さんに会ったのも、自分で選んだというより、人が運んできた流れに身を任せてきたように見受けられます。自分で決断したことなんて、これまで一つもなかったんじゃないか、と考えてしまうほどですよ」
「その場かぎりで、終わり」
そんなタモリだが、今回の『ブラタモリ』のレギュラー放送終了は、自ら申し出たことだと報じられている。
老いと向き合い、その流れに抗わずに出演番組を減らしていく選択は、ここにきて見せたタモリ流の“引き際の美学”なのだろうか。元付き人の岩井はかつて、タモリのこんな語りを聞いたと明かしている。
〈わからないことを考えるのが人生なんじゃないかな〉(前掲「女性セブン」より)