公開後に組長が射殺
幻に終わった『山口組三代目 激突編』のプロデューサーを務めた俊藤は、激突編で描きたかった山口組と警察組織の戦いを『やくざ戦争 日本の首領』(1977年1月公開)で結実させます。田岡がモデルの主人公を佐分利信が、田岡の右腕である地道行雄をモデルにした若頭を鶴田浩二が演じた。
山口組の全国への勢力拡大を描いたこの作品のヒットにより、『野望篇』(1977年10月公開)『完結篇』(1978年9月)と3作のシリーズとなりました。
山口組と一和会のいわゆる山一抗争を描いた『激動の1750日』(1990年9月公開)も外せません。三代目の田岡一雄亡き後、跡目を巡る抗争の流れがよくつかめます。
さらに、山口組の地方進出を克明に描いたのが『山口組外伝 九州侵攻作戦』(1974年4月公開)と『北陸代理戦争』(1977年2月公開)です。
前者は夜桜銀次(菅原文太)が山口組の鉄砲玉として九州に送り込まれ、それを迎え撃つために九州全体のヤクザが団結してこれに対する。
後者は福井県に拠点を持つ実在のヤクザ、川内組組長の川内弘をモデルにした作品です。「殺しの柳川」と恐れられた柳川組を率いた山口組の地方進出に、川内がモデルの主人公・川田(松方弘樹)が立ち向かう。山口組の若頭補佐・菅谷政雄(遠藤太津朗)も登場します。映画公開後に川内が射殺される事件もありました。