国内

【山口組と能登半島地震】「48時間以内に現地入り」「300人前の豚汁、うどんの炊き出し」テレビ・新聞では報じられない「ヤクザとボランティア」

司忍・六代目山口組組長(
時事通信フォト)

司忍・六代目山口組組長( 時事通信フォト)

 発生から3か月が経過した能登半島地震。石川県内ではいまだ8000人以上が避難生活を続けていて、自治体、そして多くのボランティアが1日も早い復興にむけて力を合わせている。

 大災害が起きるたびに、いち早く被災地に入り救援活動を行なうのが暴力団だ。

「1995年の阪神・淡路大震災で神戸に本部がある山口組は大規模なボランティア活動を行ない、メディアも好意的に取り上げるなど一躍脚光を浴びました。災害時の救援活動は山口組にとって存在意義を示す場でもある」(実話誌記者)

 六代目山口組が傘下組織に対して発行する機関誌『山口組新報』の最新号で、能登半島地震における六代目山口組のボランティア活動がレポートされていることがわかった。

 大阪に本部を置く六代目山口組・二次団体の若頭の寄稿によると、地震発生直後、この二次団体の組長が「全力でやれ」と組織に号令をかけ、この若頭を含めた多くの組員が地震発生48時間以内に被災地入り。詳細は記されていないが、救援物資の搬入、炊き出しを行なったという。今回の地震では道路が寸断されたため、民間のボランティアが現地入りすることについては様々な意見が生じていたが、〈賛否の声は世の常、私も現地に入りそれ以上に必要とする声を聞き、成すべき事を成すまでの事、これもヤクザとして誇りに思う所であります〉と締めくくっている。

 さらに、六代目山口組・司忍組長と盃を交わしている直参組織の組長も手記を寄せ、被災地で救援活動に従事していたことを明かしている。この組長は1月8日夕方、友人たちと食事をしながらテレビのニュースを見ていて被災地入りを決意。近くのドラッグストアやスーパーで購入したトイレットペーパー、マスク、生理用品、防寒具、水、菓子、炊き出し用の食材をハイエース、2トンキッチンカー、ジープに積み込み、10日朝に滋賀県・大津市から震源地に近い珠洲市に向かったという。

 途中のサービスエリアでさらに食材などを買い足したが、インターチェンジでの検問で救援車両以外の車は通行できず、一般道で穴水町入り。海沿いの国道249号は道路の損傷が激しく、時速20キロほどでの通行となったとのことで、記事には亀裂が入った道路や潰れた民家の写真が掲載されている。

 出発から7時間ほど経った15時に穴水町の小学校に到着。救援物資を届けたところで、知人から「珠洲市の小学校で炊き出しをできないか」という連絡が入ったという。避難者は30人ほど。珠洲市までは道路の損壊にくわえ、倒壊した家屋や土砂崩れにより思うように車を走らせられなかったが、山道を経由するなどして19時頃に到着。

 組長らは休むもなく、大きな寸胴2つで豚汁を炊き、うどんを300人分ほど振る舞ったという。小学校に避難している人だけでなく、近隣住民まで食べに来たことが記されていた。

 避難者から要望を受け、寸胴や調理器具も置いていった組長たちは、避難者に何度も頭を下げられながら小学校を去ったという。

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン