中畑:もともとパワーピッチャーに弱かったしね。
達川:そうなんですよ。メジャーの155キロには対応できなかったけど、変化球を打つのがうまいから、日本に帰ってきたら結果を残すと思う。筒香、岡本(和真)、坂本(勇人)のクリーンナップなら脅威でしたよ。
中畑:本来なら岡本が打線の柱なんだろうけど、本当の柱に感じないんだよね。打てなかった時のしぐさや表情が、すごく無気力に感じるんだよ。巨人で6年連続30本塁打を打ったら大スターなんだけど、商品価値を自分で下げている。損ですよ。
江本:要は1枚足りないから、クリーンナップも決まらないし、1、2番もコロコロ変える。
中畑:筒香は巨人なら戦力の柱になったと思うけど、DeNAだと若い選手が出ているからな……。ドラ1の度会(隆輝)を代えてもらいたくないんだよね。最初は線が細くてひ弱な感じがしたけど、練習を見ると(バットが)振れる。
達川:度会はカープとの開幕戦で、九里(亜蓮)から同点3ラン。あれがなければ広島の3連勝もあったのに……。度会の2試合連続弾で、チームが勢いに乗りましたよ。
江本:当たった時はいいスイングをしているが、やはりスタミナがない。新人はみんなぶつかる壁だからね。それで休むか、掛布(雅之)みたいに走るか。その差が出てくるでしょうね。今は疲れたら休ませるから。
中畑:結果が出なくても、三浦(大輔)監督には使い続けてもらいたいね。
(後編へ続く)
【プロフィール】
江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1970年ドラフト外で東映入団。1972年に南海に移籍し、野村克也とバッテリーを組む。引退後は参議院議員やタレントとして活躍。
中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1975年ドラフト3位で巨人入団。三塁手として活躍し、原辰徳の入団後は一塁手に。引退後の2012~2015年、DeNA監督を務めた。
達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1977年ドラフト4位で広島入団。正捕手として活躍。広島監督や阪神などのコーチを歴任し、ソフトバンクでは日本一を経験。
※週刊ポスト2024年5月3・10日号