SNS時代に中森明菜はどのような復活劇を見せるのか(YouTubeより)
明菜さんのもろさやはかなさは魅力の1つだと思いますが、不特定多数が見るテレビでは、ソツのないパフォーマンスが好まれます。ちょっとした不備がネットニュースとなって拡散されてSNSで騒がれる可能性もあり、そこが明菜さんの休業前と大きく違うところと言えるでしょう。明菜さんのメンタルがそれに耐えうるかがが懸念されますが、今は音楽の配信方法も多様化しています。テレビなどで広く大衆に訴えつつ、YouTubeチャンネルやディナーショーなど、本当に明菜さんの歌を聞きたい人だけが集まれる場所を積極的に作って活動することが、明菜さんを守ることにつながるのではないでしょうか。
弱みを見せることで“傷”が芸能人と大衆をつなぐ
明菜さんがレコード大賞を受賞した80年代は、バブルという超好景気なこともあり、芸能人というのはキラキラしているもの、弱みなどないかのように豪快にふるまう時代だったかもしれません。
しかし、5月15日放送「あちこちオードリー」(テレビ東京)に出演したタレント・小倉優子さんが2回の離婚を振り返り、「2回目の離婚の後は結構落ち込んで。復活した、元気になったと思おうと頑張ってる感じです」と今も傷が完全に癒えていないことを明かしていました。ママタレントとして活動している小倉さんにとって、2度目の離婚はタレントとしてイメージダウンにつながりますから、避けたかったことしょう。しかし、今もバラエテイ番組の常連であることからもわかるとおり、“傷”が芸能人と大衆をつなぐ時代なのではないかと思います。
明菜さんの芸能人生には予期せぬトラブルが多かったかもしれませんが、私は彼女が「弱い」とはまったく思いません。本当に弱い人であれば、とっくに芸能界から消えていると思うからです。聖書の中に「光は闇の中に輝いている」という一節がありますが、闇がなければ光の輝きはなく、光と闇を両方持つのがスターと呼ばれる人の宿命なのではないでしょうか。今こそ明菜さんの持つまばゆい光で、ファンを照らしてほしいと願っています。
◇仁科友里/フリーライター。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)。
