芸能

【私の推しメン対談・藤あや子✕野口五郎】明かされる1970年代アイドルの裏側 「一度、百恵さんにアドバイスをしたことがあります」

藤あや子が“推しメン”野口吾郎と夢の対談!

藤あや子が“推しメン”野口吾郎と夢の対談!

 あの有名人が“推し”に会ったら……そんな夢を叶える今回の企画。「小学生の頃から五郎さまファン」と公言している歌手・藤あや子(63才)が、彼女の“推しメン”野口五郎(68才)と対談した。第2回では、野口が1970年代アイドルの舞台裏を明かす。【全3回の第2回。第1回を読む】

『スター誕生!』がアイドルを作った

〈“推し”という言葉の流行は、アイドル(AKB48)ファンが自分の好きなメンバーを「推しメン」と呼んだことから始まった。つまり、推す対象は“アイドル”が発端だったわけだが、このアイドルの先駆的存在のひとりこそ野口だった〉

野口:いまでは、アイドルというジャンルが定着して、アイドルを目指す人が多いけれど、ぼくがデビューした時代は、アイドルという存在がこれほど大きくなるなんて思ってもみなかった。だから、自分が“新御三家”と括られて、アイドルとして活躍させてもらうことは、ありがたいことではあったけれど、素直に喜べない部分もあったんですよね。ぼくは、森(進一)さん(76才)や五木(ひろし)さん(76才)みたいなスターになりたかったわけだから。それで当時は、“アイドルはスターの予備軍”だと思っていました。それは、ぼくだけじゃなくて秀樹もそうだったんじゃないかな。

藤:初耳です。五郎さんがアイドルについてそう考えていたなんて。

野口:ぼくがデビューした年に始まったスカウト番組だって、タイトルは『スター誕生!』(日本テレビ系/1971~1983年放送)でしたよね。でも、この番組がいまに続くアイドルを生んだ。

藤:私はあの番組を見て、山口百恵ちゃん(65才)のファンにもなり、アイドルを目指したんです。当時はどうしたらデビューできるのかわからなかったので、あの番組が“希望”でした。でも、地元秋田では、なかなか開催されなくて……。

〈『スター誕生!』(以下『スタ誕』)は、視聴者参加型歌手オーディション番組だ。はがきで応募した500~700人が参加し、地方予選は年10回ほど開催された。藤の言う通り、地方開催は少なかった。予選を勝ち抜いた5~7人の挑戦者が歌合戦形式で競い、合格者がデビューできた。この番組から森昌子(65才)、桜田淳子(66才)、山口百恵をはじめ、小泉今日子(58才)、中森明菜(58才)などがデビュー。最高視聴率は28・1%を記録し、まさに国民的オーディション番組となった〉

野口:あの番組がアイドルの形を大きく変えました。ぼくの時代までは、師匠についてレッスンをした者がデビューできて、そこから“スター”を目指した。歌手は歌でのみ勝負するものだから、アクション(振り付け)は厳禁。むしろ、動くと師匠に怒られた。「歌だけで勝負できないのか、前川清さん(75才)を見てみろ」って(笑い)。でも、『スタ誕』でデビューするのは、レッスンをしていない素人。しかもその子たちには必ず振付師がつくんです。ここから歌って踊れるアイドルが出てくるんですよ。踊るどころか動くなと言われてきたぼくも、そういったアイドルたちの中に入っていかないといけない。かなり葛藤がありましたね。ぼくは当時、芸能界での線路が見えなかった。単に音楽が好きで、人のためになれればいいと思っていた。アイドルになるなんて思ってもみなかったけど、いま振り返ってようやく、すべてがまっすぐな道だったんだと気づけました。

藤:知りませんでした……。でもそうやって、スターとアイドルの間に立って鍛えられたからこそ、ほかのアイドルとは、表現力や歌唱力が違うんですね。五郎さんの歌を聴いていると、歌詞が沁みて、まるで映画を見ているように引き込まれますから……。だから五郎さんはアイドルと呼ばれた時代から、スターだったと私は思います。

野口:ありがとう(笑い)。当時デビューしたアイドルたちもすごかったんだよ。オーラが違う。『スタ誕』のオーディションは、実はぼくも現場でよく見せてもらっていて、桜田淳子ちゃんなんて、オーディション会場で大勢いるアイドルの卵たちの中でもひと際目立っていた。ぼくが「あの子はなんか違うね。売れそう」と言ったらその通りになった(笑い)。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン