美智子さま(写真/共同通信社)
目の前を素通り
美智子さまご成婚後も、香淳皇后との関係はたびたび世間の耳目を集めることとなった。
1975年の昭和天皇アメリカ訪問では、羽田空港で皇族方が両陛下を見送るなか、香淳皇后が美智子さまの前を素通りして“無視”したかのように見える場面がテレビで放送されたこともある。
皇室解説者の山下晋司氏が言う。
「当時、美智子皇太子妃は皇后に認めてもらっていないと感じていたようです。入江相政侍従は日記に『平民出身として以外に自分に何かお気に入らないことがあるか』と尋ねられたと書いています」
実は香淳皇后自身も、昭和天皇との結婚に際して周囲からの「反対」にあった当事者だった。
「香淳皇后の母方の島津家に色覚異常の遺伝があるとして、1920年から翌年にかけ、元老・山縣有朋らが久邇宮家に婚約辞退を迫ったのです。『宮中某重大事件』と呼ばれ、政治を巻き込んだ騒動になりましたが、最終的には山縣らの反対は退けられ、1924年の結婚に至りました」(同前)
しかし、今回の実録では同問題についてもほとんど触れられていない。
いつかすべてが詳らかにされる日がくるのだろうか。
※週刊ポスト2025年10月31日号