19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛
「エアあやや」で大ブレイクし、「言うよね~」という決め台詞も人気を博したはるな愛(53)。弾けるような笑顔と底抜けの明るさは、一瞬にしてその場を照らす。
2026年2月、そんなはるなと、手術を執刀した医師との物語がNetflix映画『This is I(ディス イズ アイ)』として配信される。
10代で性転換をしてから35年。50代になったはるなが、今改めて考える「性」のこと、また今だからこそ見据える、次なる生き方とは。【全3回の第3回。第1回から読む】
結婚、子育て 迷いは「ない」
──人は年齢を重ねるなかで、結婚や子育て、昇進など、さまざまなライフステージがありますが、はるなさんは悩んだり迷ったりしたことはありませんでしたか。
ないです。だって自分がオンリーワン過ぎるから…家庭も人生にないしね。私の大切な人生の1分1秒は、自分のことに使いたい。誰かの人生と自分をくらべたりする時間なんて、1秒たりともないんです。
私はショーパブに出入りし始めた中学2年生の頃から、自分が見たい景色のほうに行ったら協力してくれる人がいて、その景色を見たら次の景色が現れて……という繰り返しで今まで生きている。この世は理不尽だとか生きづらいという感覚は、性転換(注:2002年3月23日、日本精神神経学会が俗に「性転換手術」と呼ばれていた手術の正式名称を「性別適合手術」とした。本稿では当時の言い方として「性転換」という表記を採用する部分がある)の前に全部置いてきたんだと思います。
というのも正直、性転換したら生きづらさは多少なくなると思ってたけど、全然変わらなくて。
──変わらなかった、とは?
女の子の体になったところで、お金の問題や人間関係の悩みは変わらずにある。自分が勝手に性のせいにしていただけでした。
