服部文祥(はっとり・ぶんしょう)/1969年生まれ、神奈川県出身。登山家・著述家。K2登頂などを経験した後、装備を切り詰め食糧を現地調達するサバイバル登山家に
2026年は「北海道でヒグマを撃ちたい」
服部:昨日、〇〇山のクマ子さんが人間に駆除されました。これで今年、○○県のわれわれの駆除数は2000頭に達しました、みたいな。秋田県は2025年、4人がクマの事故で亡くなって大ニュースになったけど、クマの駆除数はその約500倍だからね。クマ新聞には人喰いグマじゃなくて「クマ喰いヒト今年も出没!」って書かれてるよ。
東出:騒いでいるのはノイジーマイノリティーで、サイレントマジョリティーはさすがにもうクマ、クマって騒ぎ過ぎだろ、って気づき始めてるんじゃないですか。
服部:自衛隊まで出してきたからな。そこに正義はあるのか? どっちの味方しますかって聞かれたら、俺はクマだな。俺にとっては、そっちのほうが正義。クマにおまえの助けはいらない、って言われるかもしれないけど。
東出:絵が浮かぶなぁ。
服部:俺にとっては、そのへんの赤の他人よりもクマのほうがよっぽど親近感がある。仲間だと思ってる。いたら撃って食うけどな。それが俺のクマと一緒に生きていくという意味だから。クマ肉はジビエの中でも最高ランクだもんな。新鮮なのはヤバいくらい旨い。
東出:クマ肉は保存が難しいんですよね。すぐ酸化しちゃう。冷凍すると、冷凍庫の臭いがついちゃうし。でも、そこさえクリアすれば本当にうまい。
服部:あの味は、説明のしようがないよな。
東出:僕はまだクマを撃ったことないから、服部さんに「クマを獲ったら、どんな感じになりますか?」って聞いたら、自分で獲ってみないとわからないぞって言われたんですよね。2026年は絶対、北海道でヒグマを撃ちたいと思っているんです。それが僕の命題だと思っていて。
服部:お前、なんか怖いよ。俺もクマを撃つまでは、猟師である以上、クマを撃ったという肩書きが欲しいみたいな欲求があったけどさ。猟師として箔をつけるために狩ろうとしている部分がすこしでもあるなら、そのことは撃たれるクマのためにも意識しておいたほうがいい。
