A子さんの自宅から出てきた垂秀夫氏
駐中国大使時代の2023年8月、福島第一原発の処理水海洋放出をめぐって中国側が「周辺国や国際社会に核汚染のリスクを転嫁する行為だ」と日本産水産物の輸入を停止すると、垂氏は「科学的根拠に基づかない措置は受け入れられない」と反論して、「中国が最も警戒する外交官」と評された。
垂氏は退官後も大学教授として教鞭を執りながら、台湾有事をめぐる高市首相の国会答弁をきっかけに緊張が高まる日中関係について、〈高市総理の対中戦略 3つの処方箋〉(月刊『文藝春秋』2026年1月号)と題する論考を寄稿するなど、政権に外交提言を行なって反響を呼んでいる。昨年6月に刊行された『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋刊)はベストセラーとなった。
その垂氏には妻子がいるが、週末は密かに中国出身女性のマンションに通い、“もう一つの家族”のように見える関係を築いていたのである。
垂氏の行動からは、A子さん母子との関係を知られることを非常に警戒している様子も窺えた。
昨年12月21日午前のことだ。前日の20日の夜に垂氏は、A子さんの子供と2人でマンションに入っていったが、翌日はマンションの自動ドアからA子さんと子供が出た後、やや遅れて垂氏が出てきた。母子には話しかけず、無関係を装うように視線さえ合わさずに足早に追い越すと、マンションからやや離れた路上駐車場に向かった。そして垂氏が乗り込んだ後、遅れてきたA子さんが助手席、A子さんの子供が後部座席に乗り込むと、垂氏はようやく緊張がほどけたように笑みを浮かべて母子に話しかけていた。
続く第2回記事では、垂氏との関係について、A子さんに直接話を聞いた。
(第2回に続く)
※週刊ポスト2026年2月20日号
