国内

スプラッター映画鑑賞会にセックス談義 歴代総理の奇行列伝

 総理大臣の覚悟とは、自分ですべて決断し、すべて責任を負うことである。何も国のトップに限ったことではなく、企業の社長、一家の家長であってもリーダーの役割は同じである。しかし歴代総理の中には、その覚悟が見えないからどころか、「奇行」が目立つ人物も多かった。 

 まずは小渕恵三氏だ。小渕内閣で通産大臣を務めた深谷隆司・元代議士が当時の秘話を明かす。当時は自自公連立内閣。

「連立にヒビが入ってくると小沢さんがあまり食事会に顔を出さなくなってきた。その頃から小渕総理の様子がおかしくなり、私たちの前でもずっと下を向いて黙り込んだり、ボーっとしている時間が増えていきました。」というのだ。小渕氏が志なかばで亡くなって以降、日本の政治は漂流を始め、「奇行総理」はもっと加速していった。

 一見、自由気ままに振る舞っているように見えた小泉純一郎氏にしても、そのストレス解消法はさすがに番記者たちも記事にできないものだった。女性を含む親しい記者たちを集め、何時間も「セックス談義」をし続けるのである。

「政権末期には、だんだん話もエゲツなくなって、動物とのセックスとか、アダルトビデオの細かいカメラワークまで嬉々として話す姿は、国民的人気のカリスマ総理とはかけ離れた印象でした」(元番記者)

 別の元首相の「末期症状」はもっと背筋が寒くなる。政権の行き詰まりで体調もすぐれないと見られていた時期、総理大臣には密かな楽しみがあった。それは、深夜や休日に自宅リビングに家族を集め、なんとスプラッター映画を鑑賞することだったのである。スプラッター映画とは、ホラー映画のなかでも特に殺人シーンや残虐な拷問シーンなどを強調したグロテスクなジャンルのものだ。

 秘書に命じて次から次へと過激な作品を買い集め、嫌がる家族を座らせて大音量で上映し、目をらんらんと輝かせていた姿は、その家族にも「もう限界だ」と思わせるものだった。

 こんな人もいた。 政権の支持率が真っ逆さまに急降下するなか、ポイントを稼ごうと焦れば焦るほど判断ミスや失言を繰り返し、もはやマスコミからは袋叩きの状態になった。

 そんなタイミングで、総理大臣が昼間や夕方、ふいに行方不明になることがあった。馴染みのホテルで関係者と極秘会談をしていたと報じられることもあったが、本当の目的は愛人との逢瀬だったのである。その女性の存在はごく親しい仲間には知られていたが、さすがにそんなタイミングで逢瀬を重ねれば、政権にトドメを刺すスキャンダルになることは確実だった。誰にも知られたくない首相は、こっそり女性に金を渡し、ホテルの手配から精算まですべてやらせていた。

 何かに憑かれたような精力的な関係だったというが、政権が瓦解すると、2人の関係も終焉を迎えた。

 そこまで淫靡な話ではないが、麻生太郎氏の場合、政権末期には露骨に現実逃避に走っていた。当時の報道でも、「新聞も本も読まず、クルマにはいつもマンガ雑誌だけが積まれている」などと暴露されたが、自民党幹部の一人は、まさに報道通りの現実に直面して、目が点になった。

「当時の国会で最大のテーマとされていた重要法案で、与野党の水面下のすり合わせが必要になった。担当者同士は何とか合意案をつくり上げたが、その内容ではまた政権批判が噴き出しかねなかった。

 おそるおそる官邸に出向き、総理に『民主党とはこれで手を打ちました。ご決断いただきたい』と進言すると、なんとも拍子抜けなことに、『これ、何の法案だ? こんなのやってたのか』というんです。ああ、本当に新聞も読んでないのかな、と思いました」

 やはり1年で政権を投げ出した福田康夫氏は、官邸執務室に「籠城」したことがあったし、安倍晋三氏が突然「プッツン」して「健康不安があるから辞める」と政権を投げ出してしまったことは記憶に新しい。突然投げ出したといえば、これも国民的人気を誇った細川護熙氏のケースも似たようなものだった。

 総理の重責は、最後には人格まで冒してしまうものなのだろうか。

※週刊ポスト2010年12月17日号

関連記事

トピックス

中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
フランクリン・D・ルーズベルト元大統領(写真中央)
【佐藤優氏×片山杜秀氏・知の巨人対談「昭和100年史」】戦後の日米関係を形作った「占領軍による統治」と「安保闘争」を振り返る
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン