スポーツ

大谷、藤浪は大丈夫? 「高身長投手は大成しない」説を検証

 プロ野球界は、日本シリーズ開幕前の今月25日にドラフト会議を迎える。

 今年のドラフトの目玉は、なんといっても、1位指名が予想される2人の投手。

 メジャーリーグも獲得競争に参戦する花巻東高の大谷翔平(193センチ)。春夏甲子園を連覇した大阪桐蔭高の藤浪晋太郎(197センチ)のノッポ2人組だ。

 ところがプロ野球界には古くから「高身長投手は大成しない」というちょっと不吉なジンクスがある。

 過去を紐解くと、大型投手として期待されながら、鳴かず飛ばずのまま終わってしまった逸材は数多くいる。“ジャンボ”の異名をとり、横浜商からヤクルトへ入団した宮城弘明(193センチ)。天理高のツインタワーとして甲子園を沸かせた南竜次(193センチ、日本ハム)と谷口功一(191センチ、巨人)。彼らは未勝利のまま球界から去った。

 また、「ジャンボ仲根」の愛称で親しまれた仲根正広(193センチ)のように、早々に投手に見切りをつけ打者に転向した例もある。そのジャンボ仲根と近鉄時代にチームメートだった野球解説者の金村義明氏は、高身長投手の弱点をこう説明してくれた。

「大きな体を持て余すというかね。一言でいえばバランスが悪いタイプが多い。だから投球も安定しなくなってしまう。僕が入団したころにはもう打者に転向していましたが、ジャンボさんもコントロールはあまり良くなかったようです」

 身体のバランスの悪さは、怪我の原因にもなる。最近でも木村雄太(ロッテ)や阿斗里(DeNA)のように期待されながら結果を残せていない長身投手も多い。一方、ダルビッシュ有(196センチ)のようにメジャーで結果を残すなど例外もいることはたしかだ。大学病院のスポーツドクターは語る。

「最近、高身長だとどこに負担がかかるか、それをどの様に予防するか等の研究が進み、更に、以前ならば投手を断念しなければならないケガをした時でも、スポーツ医学の発達によって復活できているケースが増えています。それが近年の活躍の一因になっているかもしれません」

 たしかにダルビッシュも一時期成長痛に悩まされながら克服した経緯がある。果たして今年の逸材たちに、「高身長投手は大成しない」というジンクスは当てはまるのか。ノッポ投手の運命はいかに!?

※週刊ポスト2012年10月26日号

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン