芸能

ナイナイ恩人が語った彼らの素顔「不眠不休で走り続けた」

「いちばん忙しいときに、いちばんがんばってくれた『ナインティナイン』の恩人」と、岡村隆史が信頼する人。それが、元マネジャーの黒澤裕美さんだ。

 ナイナイと過ごした日々を記した著書『ナインティナインの上京物語』(大和書房)には、これまで明かされることのなかったふたりの努力や苦悩、仕事に対する率直な思いが綴られている。

 もともとイラストレーターだった著者がナイナイのマネジャーになったのは、行きがかりのようなものだった。1990年にデビューした彼らは、当時、大阪ではさほど人気があったわけではない。ところが、東京の深夜番組に出たことで人気爆発。急遽、東京進出が決まった。当時、彼らが所属していた6組12人からなるユニット『吉本印天然素材』のマネジャー的存在だった彼女に声がかかったのは、自然の流れだった。

「ナイナイと一緒に東京に行ってくれへんか?」

 そんな依頼を彼女は断ってしまうと、

「あいつらがかわいそうちゃうんか? 何も知らん東京へ、たったふたりで行くんやぞ。じゃあ3日間だけでいいわ」

 と口説かれた。情にほだされ、3日のつもりで彼らとともに東京に向かったものの、待っていたのは、地獄のようなスケジュール。

「わからないことだらけで1日があっという間に終わってしまう。プレッシャーだとか大変だとか考える暇もありませんでした。プライベートは一切なし。ほぼ24時間3人一緒でしたね」

 お互い人見知りの岡村とは最初のころ、よくカラオケボックスへ行った。他人に気兼ねすることなくご飯を食べられたからだ。そのうちストレス解消のためにそこで歌うようにもなった。喧嘩をしては、仲直りの繰り返し。喧嘩するたびにふたりの距離は縮んでいった。

 矢部浩之とは同じベッドに寝ていたこともある。とはいえ、文字通り「寝ていた」だけだったそうだが…。

「私は彼の好みじゃなかったらしく、あのころは、“整形しろ”ってずいぶん失礼なことを言われましたね。お前の顔が好みやったらよかったのにって(笑い)。美容整形外科の前を通るたび“ちょっとやってみろ”って言われて」

 ナイナイはどんなに忙しくても仕事に対して真摯だった。

「ふたりともあまりに純粋だったので、私が被れるところは被ろうと決めていました。不必要だと思う仕事は、私のところでストップしていたんです」

 タレント側に立ったマネジメントが過ぎたのか、1年が過ぎ、彼らの人気が確立すると、会社は新たなマネジャーを用意し、お役御免に。だが3人の絆は壊れなかった。

「始めたころには辞めたくて仕方がなかった仕事が、いつの間にか辞めたくない仕事に変わっていました。とはいえ、彼らの将来を思えば身を引くしかありません」

 会社を辞め、現在は主婦として子育て真っただ中の彼女だが、当時を思い出すと、「キラキラした甘い生活とは無縁な、イヤな思い出ばかりが甦る」と言うが、1年間を彼らと突っ走ったからこそ今がある。

「人生は思い通りにいかないことだらけじゃないですか。でもそれって自分だけではなく、みんなもそうだと思うんです。マネジャーをやっていたときはこんな道を歩みたかったわけじゃないし、“なんてツイてないんだ!”と思いました。でも、そこで一生懸命やったら絶対に何かが生まれる。今はそんな風に思うんです」

 現在も、彼女の自宅にナイナイはじめ“天素”のメンバーがやってきて、家族ぐるみのつきあいが続いている。

※女性セブン2013年1月10・17日号

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