芸能

ものまね芸人 最近は複数をマネするよりひとり追求型が主流

 テレビにおけるものまねブームは、1980年代後半から1990年代前半にかけて活躍したものまね四天王から始まった。コロッケ(53才)、清水アキラ(59才)、栗田貫一(55才)、ビジーフォー(グッチ裕三・61才、モト冬樹・62才)の4組が、本人そっくりの歌まねの中に笑いの要素を盛り込むスタイルで、人気を集めた。幅広いレパートリーをもつのも特徴だった。

 2000年代に入ると、コージー冨田(46才)、原口あきまさ(37才)、ホリ(36才)らが登場。声まねだけではなく、サングラスなどの小道具を使って、お笑いのネタ的なものまねで人気を博した。いずれも多くのネタをもち、そのほとんどが高いクオリティーだった。

 そしてここ最近、新世代のものまねタレントが台頭。お笑い評論家のラリー遠田さんは、次のように語る。

「複数の人のものまねをやるというよりは、ひとりのものまねを追求する芸人が増え、それがマニアックになってきています。本人に見た目から話し方まで徹底的に近づける人もいます」(ラリー遠田さん・以下「」内同)

 倖田來未のものまねでブレーク中のやしろ優(26才)、西川史子のネタで注目を集めているみかん(29才)、ほかにもAKB48峯岸みなみネタの八幡カオル(38才)、石田純一ネタの小石田純一(32才)などが人気だ。

 その流れを作ったのが『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内の人気コーナー『博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』だったという。

「このコーナーで、わかる人だけがわかるようなマニアックなものまねをする芸人がウケたことが大きかったのかもしれません」

 ひと昔前ならものまねをされる側も松田聖子や郷ひろみ、森進一といった誰もが知るスターで特徴のある人ばかりだった。しかし、同番組をきっかけにものまねされる側もより幅が広がった。

「スポーツ選手やドラマや映画の名脇役などこれまで誰もまねしてこなかった人たちのものまねをする芸人が次々と登場してきました。しかも一瞬の動きだったり、彼らが言ったセリフを瞬発的に披露したり、ものまねがより“瞬間芸”になりました。そのことにより、ものまね専門でなかった芸人やタレントでも、ものまねがしやすくなったのかもしれません」

 昔はまったく似ていないものまねは見向きもされなかったが、最近は“似てない”ことも立派なネタになるという。

「キンタロー。の元AKB48の前田敦子のものまねのように本人と顔やスタイルがまったく違うのに、動きやセリフでウケてしまうといった新しいスタイルが最近、確立されています。バラエティー番組の司会もお笑い芸人がやることが多く、彼らが“似てない”ことをつっこむとそれが話題になる。

 もちろんそっくりだと、“すごい”と感心されますし、ものまねはなんにせよ反響があるんです。そのためちょっと似ているだけでもその人を極めて、テレビで活躍するというのが今のスタイルなのかもしれません」

※女性セブン2013年9月19日号

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト