ビジネス

コンセプト型のシェアハウスが増加 「テラハ」人気も後押し

 居間や台所などを入居者が共有するシェアハウス。家賃の安さから若者を中心に人気を得てきたが、最近では、趣味や目的を同一にする人々が暮らす「コンセプト型」が注目を集めている。ゴルフやヨガ、楽器演奏などを楽しむ設備のある物件から、漫画科志望や母子家庭専用まで。一つ屋根の下で、住まい以外をも共有するシェアハウスが増加している。

 シェアハウス専用ポータルサイトを運営する仲介大手のひつじインキュベーション・スクエアによると、シェアハウスの登録物件は現在1700件程度で、ここ3年で2倍になった。同社がまとめた「シェア入居白書(2008年版)」を見ると、入居者は20代が6割を占めているが、最近の「コンセプト型」登場に伴い、30代以降の入居者も増えているという。

 神奈川県川崎市に今月、“みんなで子育て”をコンセプトとする「四谷上町プロジェクト(仮称)」がオープンする。ここは単身者や家族、シングルペアレント、高齢者などからなる10世帯で、入居中の子供たちを育てようというシェアハウス。国産のむく材を使用するなど、健康素材にもこだわり、共同菜園も付く。こうした「子育て」のほか、シニアと若者など「世代交流」を促すシェアハウスも昨今、人気のようだ。

 社会人男性に人気なのが、本格趣味に打ち込んだり、生活サポートの付くシェアハウス。千葉県船橋市の「シェアリーフ西船橋」は完全防音の音楽スタジオを備える。東京麻布の「麻布ガーデニア“エグゼクティブ”」ではシアタールームで映画鑑賞ができるほか、アイロン、ズボンプレッサー、シャンプーなど日用品の補充といった、ホテル並みのサービスが売りだ。

 こうしたシェアハウスは低迷する不動産にとっても、一つの活路となっている。都内の不動産業者の男性はこう話す。

「空室の多いマンションや使われなくなった社宅が、最近の人気にともなって、シェアハウスとして再生する例は増えています。マンションだけではなく、空き家になっている一戸建てをシェアハウスに改造する人も増えていますね」。全国の空き家は756万個で、総住宅の13%程度を占める(総務省「住宅・土地統計調査」2008年)。高齢化によってさらに増加すると予想される空き家の再生のために、シェアハウスに寄せられる期待は大きい。

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン