芸能

中山美穂が主演するNHKドラマは「気の毒な展開」と女性作家

 ネット掲示板やSNSで論評が交わされることで、ドラマウォッチャーたちの目は肥えてきている。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 夫婦はともに有名人。夫は芥川賞作家、妻は元トップアイドル。離婚協議中というだけでも話題を集める中、敢えて「プラトニック」(NHK・BSプレミアム、日曜22時~)という恋愛ドラマに出演した中山美穂。

 相手役は、ジャニーズの堂本剛。脚本は「明日、ママがいない」で物議を醸したばかりの野島伸司。山の手線・原宿駅の構内にデカデカと巨大ポスターを貼り、中山美穂は繰り返し番宣に登場。これで見ない人はいない? と思うほど注目される準備は整った。ダメ押しで、有名音楽家との不倫?騒動までが報じられ--。考えられるお膳立てはすべて整い、「欠けている点」は一つもなさそうに見えた。 

 そして始まったドラマ「プラトニック」。

 中山美穂が演じる沙良は、心臓疾患を抱える娘の治療を願うシングルマザー。ネット上で「僕のハートを差しあげます」と書き込んだ、ミステリアスな青年・堂本剛と出会う。青年は脳腫瘍を患い、余命いくばくもない。二人は運命的にひかれあって……。

 心臓移植。自殺志願サイト。包丁を振り回す元夫。名も知らない青年との同棲。これでもか、これでもか、と濃い味つけの素材を散りばめる。刺激で視聴者の気を惹こうと奮起する野島脚本。

 テーマは、命そのもの。それなのに。何かが足りない。何が?  と思いながら画面を見つめていて、はっと気付きました。

「命を扱う」ドラマなのに、各シーンに決定的に足りないのです。「緊張感」が。

 中山美穂と堂本剛、二人がいるお茶の間にはまったりとした空気が流れる。泣いても叫んでも、アイロンかけても、コンビニでレジを打っても、その顔は中年ミポリンのまま。

 表情も化粧も崩れない。シワも寄らず、髪の毛も乱れない。ギリギリの命をかけた物語なのに、緊迫感も感情のぶつかりあいも、もやもやっとした霧のむこうの小芝居に見える。

 きっと、事前に話題を仕込むのと同じくらいに、演技指導や稽古や練り上げた演出が必要だったのではないでしょうか。そうしなければ、「命をかける」ような緊張感なんて、簡単には画面から伝わってこないのでは。

 中山美穂主役の恋愛もの、という話題先行型企画に無理がありすぎたか。これじゃ、役者もかわいそう。と、演じる人に同情しながら見なければならないドラマって、いったい何なんでしょう。

関連記事

トピックス

茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された
《水戸市・31歳ネイリスト女性死亡》「『誰かのために働きたい』と…」「足が早くて活発な子」犯人逃走から6日間、地元に広がる悲しみの声
NEWSポストセブン
浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化
《声をかけて寄り添って》浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化 沈黙から一転、見られていた「雪解けの予兆」
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された秋篠宮家次女・佳子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀で見せた“ハート”》佳子さま、“お気に入り”のエメラルドグリーンドレスをお召しに 刺繍とハートシェイプドネックがエレガントさをプラス
NEWSポストセブン
元仙台高裁判事の岡口基一氏
「裁判所当局が嫌がった核心は白ブリーフだった」 弾劾裁判で法曹資格を失った岡口基一氏が振り返る「岡口裁判の急所」とは 裁判所と司法記者クラブの問題点も指摘
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された皇后雅子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀の“ブルーリンク”コーデ》皇后雅子さまはスタンドカラーでフォーマルに、愛子さまはマオカラー風で親しみやすさを演出
NEWSポストセブン
ネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された水戸市のアパート
「赤ちゃんをかばおうとしたのか…」「複数の凶器で犯行」水戸市で死亡のネイリスト女性(31)がかつて警察に相談していた“人間関係トラブル” 
NEWSポストセブン
1995年、チャリティーゴルフ前夜祭に参加した“ジャンボ”こと尾崎将司さん(左)と長嶋茂雄さん
【追悼・ジャンボとミスターの物語】尾崎将司さんと長嶋茂雄さん、昭和のスポーツ史に名を刻んだレジェンド2人の重なる足跡 ライバルと切磋琢磨し、後進の育成に取り組んだ
週刊ポスト
松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「奥羽山脈周辺に“異常変動”が集中」「千葉県が大きく沈降」…2026年初めに警戒すべき5つの地域
週刊ポスト
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト