そして長男の徳郁は、大学卒業まではレスリング選手として活躍していたが、華やかな姉と妹に挟まれ地味な存在とみられていた。しかし総合格闘家の山本KID徳郁になってのち、格闘技ブームを支えるスター選手になった。ところが、五輪出場の夢は断ちがたかったらしく、北京五輪を目指して2007年にレスリングへ復帰するが、試合中に肘を脱臼してしまう。

「肘を脱臼して以来、手首や靭帯などケガが相次いで総合格闘家としての戦績は悪くなる一方です。仕事の調子が悪いときにはプライベートも不調に陥りやすいといわれますが、彼もその通りになってしまいました。結婚して二児をもうけたモデルのMALIAさんと2009年に別れたんです。MALIAの連れ子とあわせて子ども3人に囲まれていたのに、離婚直後は子どもたちとも離ればなれになって寂しそうでしたよ」(格闘技雑誌編集者)

 金網リングで戦う米国の総合格闘技UFCと2011年に契約、総合格闘家としての復活をはかっているが、戦績は3連敗のままケガで欠場が続いている。いま選手としては岐路に立たされているが、経営者としては堅実に実績を積み重ねているところだ。6年前から大田区で「ヤマモトスポーツアカデミー(YSA)」を父と共同運営しており、夏にはカレー専門店もオープンさせた。結婚はまだだが、心を許せるパートナーと一緒に過ごしている。

 恋愛も仕事も充実しているのは子どもたちだけではない。父の郁栄氏も4年前に20歳近く年下の女性と再婚し、子どもや孫が勢ぞろいの披露宴を行った。公私ともに充実している。

 郁栄氏は日本におけるテーピング技術普及の草分け的存在でもある。日本体育大学教授をつとめながら長男の徳郁とスポーツジムを共同運営しているのは前述のとおり。ジムの内装は息子のセンスにあわせた黒を基調としたものだ。ダルビッシュがツイッターで公開したツイッターでの2ショット写真は、このYSAで撮影されたものとみられる。

 山本家の人生は波乱万丈にうつるかもしれない。だが、どんな生活をしていても彼らが何十年も叶うよう願っていることがある。五輪で金メダルを取ることだ。父はミュンヘン五輪に出場したものの、メダルに届かず終わった。子どもたちに願いは託されたが、三人とも出場がかなわなかった。いまは美憂の長男にそれは受け継がれ、まだ10歳に満たない他の子どもたちへも同様だろう。この執念を、果たしてダルビッシュは理解できるだろうか。

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